令和5年度「お散歩診断」(11月9日)

気持ち良い秋晴れの空の下、講師の渡辺ひろ子先生をお迎えし「お散歩診断」を開催しました。

渡辺ひろ子先生

最初に先生から、「今日は、吠えずに落ち着いて、他の犬や人を怖いと思わず飼い主の側にいたら大丈夫と思えるように、飼い主さんと一緒にいる時間をとことん楽しい時間になるようにしましょう」とお話がありました。

まず、二匹ずつ先生の前に行き、先生からおやつを貰いました。

先生の前に行ったときに、吠えずに大人しくできていたら、すかさずご褒美をあげて褒めます。このときどれだけ褒めることができるかが重要で、それがトレーニングになります。

おやつは緑と黄色の2色のクッキーがあり、その貰った色で2つのグループに分かれて、お散歩の開始です。

歩くときには犬同士の距離に気を付けて、近づきすぎないようにしながら歩きますが、歩き始めは他の犬が気になったり、地面の匂いや葉っぱなどいろいろな物に気を取られながら歩いていました。

休憩場所に到着したら、ゲームの時間です。

最初のゲームは「はっけよい、おすわりたいけつ」です。

二匹の犬が「はっけよい」の掛け声のあと、飼い主さんからの「おすわり」の声でおすわりが先に出来た方が勝者。

みんな上手におすわりできました。

そして、次にアイコンタクト競争です。

犬は、犬同士目が合うと、3秒もすれば吠えたくなります。そんなとき、飼い主さんが犬の名前を呼んだり、「おいで」と声をかけることで飼い主さんの方を向かせて、他の犬から目線をそらすことが大切です。飼い主さんが犬の名前を一度だけ呼んで、ちゃんとアイコンタクトが出来たらOK。

そして、ここでも重要なのは、ちゃんと飼い主さんを見たら褒める!です。

先生が犬の間を歩いて気をそらそうとしても、どの子もちゃんと飼い主さんの方を見ることができていました。

もう一つのゲーム「なまえをよんだら飼い主さんの元へ行けるかな?」です。 少し離れた場所から飼い主さんが名前を呼ぶと一目散に走ってやってくる子、ちょっとよそ見をしながらやってくる子、でもちゃんとみんな飼い主さんのところまでやって来ました。無事にやってくると飼い主さんも「良かった~」とホッとした様子で喜んでいました。

ゲームを通して、飼い主さんとコミュニケーションをとり、先生から犬との距離のとり方やどのような時に褒めるのかというタイミングなどを教えてもらうことで、帰りの道はどの犬もみんな飼い主さんに集中しながら楽しそうに歩いていました。

帰った後、質問の時間です。「お散歩に出たらずっと匂いを嗅ぎます」という質問があり、「犬は人間の嗅覚の何千倍もあります。匂いが気になるのは当たり前なので、お散歩の時に、例えば3秒は匂いを嗅がせてその後に「行こうか」とやめるタイミングを作ってはどうでしょうか」と答えていただきました。

また、「沢山の犬の中では怖がって大人しいが、一対一になると遠くからでも吠えてしまう。散歩も吠えないように他の犬と出会わない夜の時間に行っているが、これでは社会性が無くなってしまうのではないでしょうか」との質問には「怖いものに慣れさせようとして、逆に怖いものに対して過敏になってしまい、余計に吠えてしまうことになります。犬に慣れさせるというより、ひたすら飼い主とのお散歩の時間が楽しい時間になるよう、お散歩の途中で今日やったゲームなど取り入れながらお散歩をしてみてはどうでしょうか」とのことでした。

また、犬が吠えるのは、怖いから相手を遠ざけたいという意図がある場合があります。

そんなときは、「飼い主がちゃんと守ってあげるよ」という姿勢を見せることで、飼い主が頼りになる存在だとわかり、犬も安心することが出来るようになります。頼りになると思ってもらえると、だんだん吠えずにすむようになるとのこと。

最後に先生から、「犬に教えるのは根気が必要。どうすればいいかを一つずつ教えていき、何千回と練習を行い、100回の練習で1回本番というくらいの根気が必要です」とお話がありました。

アンケートからは「犬に対しての新しい知識が得られてよかったです」「他犬への対応をお散歩でやってみようと思いました」「犬のことをよく見て行動しようと思います」「もっとほめようと思いました」等の感想をいただきました。

次回の「お散歩診断」は座学となっています。

犬のボディーランゲージを知ることで、より犬の気持ちを知り犬への理解が深まります。

飼い主さんのみのご参加となりますが、皆様のご参加をお待ちしています。

「お散歩診断」