令和5年度 獣医師体験プログラム「水族園動物のお医者さん」(5月14日)

神戸市立須磨海浜水族園の毛塚千穂先生を講師にお迎えして、今年度最初の獣医師体験プログラム「水族園動物のお医者さん~今日はペンギン」を開催し、小学1年生~小学3年生15名、小学4年生~中学生10名の皆さんが集まってくれました。


講師 神戸市立須磨海浜水族園 毛塚先生

春はペンギンの繁殖シーズンなので、「是非子どもたちにペンギンのお話を!」と題材に選んでくださったそうです。

最初に先生から、水族園の獣医師の仕事には「1.健康をまもる」「2.魅力をつたえる」「3.命をつなぐ」という仕事があると教えていただきました。

特に、「命をつなぐ」ということに関しては、ペンギンが増えすぎないように、どのペンギンのカップル(須磨海浜水族園には40羽のペンギンがいて15カップルいるそうです)に産卵をさせるかを考えたり、約1年間の妊娠期間があるイルカの出産の時期を6月頃生まれるように調整したりもしているそうです(寒い時期に赤ちゃんが生まれると、寒さで赤ちゃんが死んでしまため)


マゼランペンギンの標本

水族園の獣医師のお仕事について教えていただいたあとは、いよいよ今回の本題、ペンギンについてのお話です。
ペンギンは世界に18種類もいて、生息地は南半球とのこと。今回、先生が持ってきてくださったペンギンの標本はマゼランペンギンという種類です。

人間は排尿、排便、出産に関わる部位が異なりますが、ペンギンの特徴として、総排泄口は一つになっていて、そこから排泄したり卵を産むそうです。

また、換羽の時期には、普段一回の食事で3匹食べているアジなどの魚を、15匹(5倍!)も食べるそうです。換羽の時期には体全体の毛がボサボサになり、羽の油分がなくなることで、約2週間もの間、海に入れず餌を食べられなくなるからだそうです。このような理由から、体力を蓄えるために普段より多めの餌を食べなければならないようです。

ペンギンの特徴や生態の話を聞いたあと、ペンギンクイズをしました。

難しさ星5のクイズです!

1問目は、4枚のペンギンの写真を見て、年齢を当てるクイズですが、低学年の子どもも、高学年の子どもも、見事に全問正解の子どもがいました。

ヒントは、「ペンギンの白黒の模様(胸に入っている横線)が決め手になる」のだそうです。はっきり入っているペンギンは大人のペンギンです。寿命はだいたい30歳くらいだそうです。

0歳、1歳、18歳、27歳、どの子がどの年齢かわかりますか?
《正解は下にあります》

2問目は卵クイズ。「卵は空気を通せるか?」「ゆで卵にしたらどうなるのか?」という問題です。正解は「卵は空気を通せる!」です。そして、ゆでた場合についてはスライドを見てびっくり。「白身が半透明状態になる」でした。理由は、鶏の卵とは成分が違うからということで、同じ卵でもいろいろな違いがあることに、子どもたちも驚いたようでした。

白身が透明!(これは無精卵です)

クイズで盛り上がった後、最後に先生が見せてくださったのは、イルカとゴマフアザラシの出産シーンです。

水中で出産するイルカ、そして、珍しいゴマフアザラシの出産シーンには、子どもたちも興味津々でとても印象に残ったようです。

イルカは水中で出産、尻尾から出てきます
安産で5分くらいで赤ちゃんが生まれたそうです


今回のプログラムを通して、子どもたちからは「ペンギンのおしりのあなのはなしがおもしろかった」「ペンギンの生態を色々と知れてよかったです」「ペンギンの卵のはなしがとくにおもしろかったです」などの感想が寄せられました。

今後の、獣医師体験プログラムについては下記よりお申し込みください。

獣医師体験プログラム



※ペンギンクイズ正解。左から1歳、18歳、27歳、0歳