令和5年度「教えて!介助犬」(11月5日)
11月としては異例の暖かさということで、過ごしやすい秋晴れの中、「教えて!介助犬」が開催されました。
今回は、兵庫介助犬協会様から介助犬のPR犬で5歳のココスちゃんと、4月から働き始めたばかりで、今日が初めて人前で一人でお話をするというフレッシュな新人・富田さんが来てくださいました。
最初に補助犬についての説明がありましたが、2002年に身体障害者補助犬法が制定されたにも関わらず、21年たった今でも、社会的にはまだ十分に認知されているとは言い難く、補助犬とお店に入っても拒否されるということがよくあるそうです。もし、そういったことを見かけたら、「補助犬がお店に入ることは法律で認められていますよ」とお店の方に伝えてあげてくださいと教えてくださいました。
次に、ココスちゃんのデモンストレーションを見せていただきました。
介助犬は、ユーザーさんが下に落としたものを拾うということが重要な仕事のひとつです。手足に障害がある方は物をつかむことができにくかったりするため、外出先で物を落として拾う際に前のめりに転倒してしまったり、誰かに頼まなくてはいけないということから外出をあきらめてしまうという方もおられます。そんなときに介助犬が助けてくれることで外出もしやすくなり、身体的なサポートだけでなく、心の拠り所としても大きな存在であると言えます。
ココスちゃんも、富田さんの指示で上手に携帯電話や小さなコインを拾うことが出来ました。
ココスちゃんがちゃんと指示に従って拾ってくれると、会場からは感嘆の声とともに拍手が沸き起こりました。
そして、介助犬が日頃どのように訓練しているのかを見せていただきました。
訓練と言っても、投げたボールを持ってきたり、バンダナの引っ張り合いなどの遊びを通して、介助に必要なことを覚えていきます。ボールを持ってくることは携帯電話を持ってくることに。バンダナの引っ張り合いは冷蔵庫のドアを開けることに繋がります。犬も人も楽しんで訓練することで、指示も覚えやすくなるそうです。
介助犬は10月現在、全国で58頭いるそうで、兵庫県で活躍している介助犬は2頭だそうです。
参加者の方からの質問で、「介助犬は大型の犬が多いですが、小型犬はいないのですか?」との質問に「基本、落としたものを拾ってユーザーさんに届けることが仕事のため、拾った物がユーザーさんの膝の上に置ける位置に顔が来るように」ということや、ユーザーさんによっては、車いすを引っ張ってもらわなければいけない場合もあるため、大型犬が多いということでした。
他にも「何故、ココスちゃんは介助犬にはならなかったのですか」という質問には、「ココスは犬や人が大好きなので、どうしてもそちらの方が気になってしまうのでPR犬になりました」と教えていただきました。
そして、介助犬はだいたい10歳、ココスちゃんのようなPR犬は8歳ぐらいで引退となり、引退したあとはキャリアチェンジして家庭犬として過ごすそうです。
お話が終わった後は、ココスちゃんと触れ合いの時間でした。人が大好きなココスちゃん。参加者の方もココスちゃんを撫でたり、小さなお子さんはココスちゃんと一緒に並んで背比べをしたりしながら、楽しいひと時を送りました。
アンケートからも、「かわいく楽しかったです」「介助犬のお仕事がよく分かりました。賢い!」「今まで知らなかった事をたくさん新しく教えていただけて、良い機会になりました。ココスちゃんも愛嬌があってとてもかわいかったです」というお声をいただきました。
介助犬の認知度は、まだまだ社会の中で低いとのことですので、より多くの方々に介助犬のことを知っていただけるよう、こうした普及啓発と一人ひとりの市民の正しい認識が不可欠です。
今後も、多くの方々のご参加をお待ちしております。