令和6年度 獣医師の世界を体験しよう!「爬虫類・両生類の生体と飼育」(1月12日)

今回は、たんぽぽの家のセミナー室にてフォーゲル動物病院の上田謙吾先生を講師にお迎えして「爬虫類・両生類の生態と飼育」と題してお話していただきました。

今回のプログラムは大人も対象のプログラムのため、大人の方も沢山ご参加くださいました。

最初に上田先生の自己紹介があり、フォーゲル動物病院のフォーゲルは鳥という意味で、2002年に病院を開院された当初は鳥や爬虫類などを診る動物病院がほとんどなかったため、そんな動物を診る獣医師になりたいと、病院の名前にその思いが込められているということでした。

自己紹介の後、爬虫類や両生類の飼育方法や飼育環境・病気の治療について、スライドを交えながらお話してくださいました。

まず、爬虫類や両生類の飼育については、バスキングライトという、身体を温めるライトや紫外線ライトなどのライトが必要だということや、カメなどは水の中と陸地を行ったり来たりできるように工夫することなど、リクガメやトカゲなどの床材の種類にはどんなものがあるのか、餌はどんなものが良いのか、など飼育方法について詳しく教えていただきました。

そして、次に実際にカメやトカゲ、カエルなどの病気や、手術をしているスライドを見せていただきました。

床材を餌と一緒に食べてしまい、お腹に沢山床材が溜まってしまったトカゲや水槽の石を餌と一緒に飲み込んでしまっていたウーパールーパー、落ちて甲羅が割れてしまったカメ。

また、人間の使う爪楊枝を飲み込んでしまっていたカメレオンや、ネオジム磁石という磁石を飲み込んでしまったため、腸管に穴があいてしまったトカゲもいました。

このネオジム磁石は小さくてもとても強力な磁石で人間の赤ちゃんが飲み込んでしまったという事故もあり、注意が必要です。

頭がポッコリ膨らんでいるのが動脈瘤

病気でいえば、動脈瘤や静脈瘤が出来たり痛風になったトカゲや、中耳炎・肺炎になったカメ、膀胱結石や便秘、脱腸になったカエルなど人間と同じような病気にもなります。

痛風のトカゲ

ウーパールーパーなどは温度が暑すぎると(人間にとってはそんなに暑くない温度であっても)身体が赤くなってただれてしまうそうです。

爬虫類や両生類を飼育する場合は、温度や湿度の管理などが必要だということがよくわかり、床材の誤食を防ぐためには餌の与え方や食べている間見ておくなども必要です。

その他にも沢山の病気や治療の様子も見せていただき、1時間があっという間でした。

どんな生き物でも一緒に暮らしていくためには、その生態についてしっかり学び正しい飼育方法を知ることが、とても大切だと改めて考えさせられた時間でした。

「獣医師の世界を体験しよう」