令和6年度「いのちの教育」プログラムプログラムⅡ「動物と私たちのいのちは同じ」(9月9日 神戸市立真陽小学校)

9月9日(月曜)、神戸市立真陽小学校の3年生24名の子どもたちに、「いのちの教育」プログラムⅡ「動物と私たちのいのちは同じ」の授業を実施しました。

「いのちの教育」プログラムは、プログラムⅠ~Ⅲの3つのプログラムで構成されており、それぞれ「気づき」「共感」「責任」というテーマがあり、次のプログラムに入る前に、いずれも前回の内容の「ふりかえり」を行うようにしています。この「ふりかえり」はとても重要で、子どもたちの記憶の中に長期的に学習内容を定着させる効果があります。

プログラムⅠ「私たちと動物との関わり」の実施内容については、前回の実施レポートをご参照ください。

https://kobe-chai.jp/2024/06/inotinokyouikupuroguramu/

「ふりかえり」が終わるといよいよプログラムⅡの始まりですが、最初の質問で子どもたちに、「自分は生きていると思いますか?」という質問をしました。普段、あまり聞かれることがない質問ですので、「えっ?」と戸惑いながらも、全員の手が挙がりました。
次は、「では、自分が生きていると言える理由を教えてください」と聞いてみると、「食べる!」「寝る!」「しゃべる」など出てきました。中には、「心臓が動いているから!」という意見が出ました。これらの意見は、生きているからこそできることですので、「生きている証拠」だと言えます。
その「生きている証拠」の中から、皆でその証拠を確認してみるために、「拡張心音計」という機械を使って、心臓の音をスピーカーを通して聞いてみることにしました。 初めて見る機械に、子どもたちからは「自分の心臓の音が聞けるの?」「初めて!」と歓声があがり、期待に目が輝きます。

全員の心臓の音を聞き終わった後、子どもたちからは「音の大きさが違う!」「速さが違った!」「リズムがあった」「電車の音みたい」など、気づいたことを発表してくれました。顔が違ったり体格が違ったりするように、一人ひとりが違う人間で、心臓の音も違うということに気づきます。
こうした体験をとおして、一人ひとり違う人間だから心臓の音=「いのちの音」も全員違うということを実感していきます。自分が持っている「いのち」は世界でたったひとつのもので、人間だけが「いのち」を持っているのではなく、動物も同じようにそれぞれにたったひとつの「いのち」を持っているということに気づきます。

人間も動物も、ただ生きているだけではありません。「こんなことがしたい」「こんなふうに暮らしたい」という気持ちを持っていないかなと想像してみることで、動物への共感が生まれます。

2枚のパネルを見てもらって、そこに描かれている犬の気持ちを想像してもらいました。

1枚目のパネルは、挙手をして発表してもらいました。飼い主といっしょに散歩に行こうとしている場面なので、「うれしいな」「たのしいな」という意見がたくさん出ました。この犬の気持ちは、マークで表すと「ハートマーク」だと言えます。

2枚目のパネルは、家の中で人間だけが楽しそうに家族団らんしているのに、犬は部屋の隅のサークルの中に閉じ込められている絵です。この犬の気持ちを想像して、ミニホワイトボードに自分の考えを書いてもらいます。「書く」という行為をとおして、皆の前で発言するのが苦手な子どもも、この授業に参加したという一体感を感じることができます。
2枚目のパネルでは「悲しい」という意見が圧倒的に多く、「さびしい」「きれいにして」「からだ洗って」などの意見も出ました。この犬の気持ちをマークで表すとしたら、きっと「涙マーク」です。

動物にもハートマークの気持ちのときもあれば涙マークのときもあり、「動物にも心がある」ということを理解していきます。

今回の授業をとおして、動物にも感情があり、人間と同じようにたったひとつの「いのち」を持っているということを学びました。締めくくりに、「動物にも心がある」と全員で大きな声で呼んでプログラムⅡが終了しました。

次回はプログラムⅢ「動物のために私たちができること」です。