2026.07.09

動物愛護管理・社会福祉の連携を考えるワークショップ(7月4日)

神戸市中央区文化センターにおいて、長野県社会福祉協議会の佐藤尚治氏を講師にお迎えし「動物愛護管理・社会福祉の連携を考えるワークショップ」を開催しました。

初めに長野県の状況をお話いただきました。

長野県では生活困窮者を支えるため、県内に支援窓口として26箇所に自立相談支援機関「まいさぽ」という相談場所が設けられており、77の自治体全域で生活困窮者の相談支援をカバーできる体制が整えられているそうです。

また、高齢者支援の仕組みである地域包括ケアシステムでは、動物福祉の視点を取り入れることが大切とお話があり、ペットの状態は、飼い主の生活の変化や困りごとを示す「SOS」として表れることが多く、生活課題を早い段階で把握する手がかりになります。川の川上と川下に例えると、軽い困りごとから深刻な状態へと段階的に進み、下流へ行けば行くほど問題は深刻化するため、もっと上流の時点で対応する必要があるとのことでした。

次に社会福祉協議会の役割についてのお話がありました。

社会福祉協議会は3層構造で組織されていて、生活に関する相談を受ける身近な窓口として重要な役割を担っています。動物愛護の現場でも動物以外の問題が見られた場合、社会福祉協議会に繋ぐことで、生活や医療、住まいにおいても支援してもらえる可能性があるかもしれません。

また、異なる分野の支援者同士が知識を共有し、互いの理解を深める研修の場をつくることの必要性についても言及がありました。生活支援、医療、精神保健、高齢福祉、そして動物福祉など、関わる領域は多岐にわたります。複合的な課題に向き合うためには、支援者同士が共通の視点を持ち、連携の基盤を整えることが欠かせません。特に連携において大切なのは「事前の打ち合わせ」であり、どの機関がどの役割を担うのかを事前に整理しておくことで、現場での混乱を防ぎ、支援を円滑に進めることができます。

生活困窮と動物福祉の課題は、一人の支援者だけで抱え込むものではありません。地域全体で支え合い、人と動物の双方が安心して暮らせる環境を整えていくことが、これからの地域福祉においてますます重要になります。動物の幸せは飼い主の生活の安定と深く結びついており、地域のネットワークを活かした支援体制の構築が求められています。

また、事例検討では5つの事例が紹介され、それぞれの事例を元にどのようなアプローチを行なったか、結果どうなったかなどをお話いただきました。

前半を終えて佐藤先生からは、「何かあった際に、話を聞いてもらえる相手がいるという事。誰かしらに相談に乗ってもらえる関係があるってことは、それだけですごいこと。なぜなら「相談」というのは、どうしようもなくなった状況で、人だから、人間だからできる、唯一のことだからなのです。」とお言葉をいただきました。

後半はそれぞれグループごとに分かれてグループワークを行いました。

それぞれの班で今現在困っていること、取り組んでいること、これからやろうとしていることなどを出し合っていただきました。

答えを出すというのではなく、それぞれのグループでの気付きをシェアする感覚です。

どの班もとても話が盛り上がり、参加者からはグループワークの時間が足りなかったという声も出たほどで、予定していた時間いっぱい使って話し合いをされていました。

全体共有の時間には各班から「ペットの災害時での避難について」「高齢者の譲渡について」「ペットの相談先について」など、それぞれの班で出た内容を発表していただきました。

最後に佐藤先生から、「社会福祉協議会は皆さんと一緒に地域課題を解決するパートナーです。人と動物の福祉は切り離せないもので、顔の見える関係が川上の問題へのアプローチの第一歩です。2回目、3回目と開催し、職場や友人などまず「一人」誘って、連携の輪を広げていってください。」とお話がありセミナーが終了しました。

このセミナーで得た繋がりを今後も広げていっていただければと思います。