令和6年度 獣医師の世界を体験しよう!「人と共に生きてきた馬について」(3月9日) 

馬の臨床学が専門である大阪公立大学の石川真悟先生を講師にお招きして、しあわせの村の中にある馬事公苑を会場に「馬」についてのお話をしていただきました。

今回は、馬の病気やケガの治療についてのお話が中心でした。

獣医師というのは、いろいろな動物のいろいろな特徴について知っておく必要があるとのこと。

それは、その動物にどういう特徴があり、その特徴からどのような病気になりやすく、どういった治療が必要になるかということがわかるからだそうです。

馬について言えば、腸がとても長く、それ故、腸の病気がとても多く場合によっては死んでしまうこともあります。

また、大きな体を人間で言えば中指一本で体を支えている状態のため、ジャンプをしたり走ることでその足先に約1トンもの負荷がかかり、骨折や靱帯などの故障もあるようです。

手術をするのも大変で、麻酔での死亡率も、犬などでは0.01%ですが馬の場合は1%の割合で死亡してしまいます。また、麻酔から覚める際、暴れたりすることで再度骨折してしまうこともあるそうで、外国では麻酔が覚めるときに暴れても安全なように、プールの中に身体を沈めるような工夫をしているところもあるとのことです。

歯も重要で草食動物の馬は草を歯でこすり合わせるようにして食べますが、歯が変なすり減り方をすると、草を食べることが出来なくなってしまうためちゃんと食べることができるように、歯をヤスリのような歯ブラシで削ったりします。

また、雄馬と牝馬の違いとして雄馬にだけ犬歯があるそうです。

最後に先生から馬と人との共生とこれからについてお話がありました。

日本では経済動物としての生産・飼養がメインですが、馬の幸せ(ウェルフェア)のためにも、海外のような伴侶動物としての馬の未来を考えていかなければならないのではないか、今は、引退馬の養老牧場などもありますが、皆さんも一度考えてみてくださいと締めくくられました。

先生のお話の後には、厩舎の見学もさせていただき、馬にニンジンをあげたり、馬の説明を聞いたりしながら、より馬を身近に感じることが出来たようです。