令和6年度「いのちの教育」プログラムⅢ「動物のためにわたしたちができること」(1月16日 神戸市立広陵小学校)

1月16日(木曜)、神戸市立広陵小学校の2年生3クラスに、「いのちの教育」プログラムⅢ「動物のために私たちができること」(責任)を実施しました。

プログラムⅢ 「動物のために私たちができること」(責任)内容

・プログラムⅠ、Ⅱの振り返り
・動物のために私たちにできることを考える
・動物たちがよりよく生きるために私たちができること、動物たちが健康で幸せに暮らせるように人間が果たすべき「責任」について考える

授業の初めに、これまでのプログラムⅠで「人間と動物はつながっている」と学んだことや、プログラムⅡで「動物も生きている」「動物にも心がある」と学んだことを振り返りました。
振り返りが終わったら、いよいよプログラムⅢの内容について学んでいきます。
私たちの周りにいる動物たちが「さびしい気持ち」「悲しい気持ち」の💧(なみだマーク)の気持ちのまま生きるのではなく、❤(ハートマーク)の「うれしい気持ち」や「楽しい気持ち」で満たされるために、私たち人間ができることは何かをみんなで一緒に考えます。

まずは、ペットに対してできることを考えます。パネルの絵を見て子どもたちが挙手して出してくれた意見を、みんなにわかるように黒板に書き込んでいきます。

「からだをあらう」「さんぽに行く」「あそんであげる」「ごはんと水をあげる」などという意見がでました。
そしてペットの体調が悪くなったら「病院へ連れて行く」「予防注射しに行ってる」などの意見もでました。

次に家畜に対してできることを考えますが、今度は子どもたちにミニホワイトボードをひとりずつ渡し、自分の意見を書いてもらいます。プログラムⅡで子どもたちは自分の意見を書くことを経験しており、手をあげて発表をするのが苦手でも、書くことで意見をだしやすくなり、書いた意見を発表できるなど授業に一緒に参加したという実感をもつことができ、プログラムの中ではとても重要な手法であると位置づけています。
発表はホワイトボードにまとめた自分のとっておきの意見を立って発表してもらいます。

家畜も人間がお世話をしているので、「新しいエサ、新鮮な水をあげる」というようなペットにも共通して考えられる意見だけでなく、「狭いから広いところへうつす」「きたないままにしないで掃除する」「ひとりではなく、なかまがいるところに連れて行く」といった家畜が暮らす環境について考えた意見が聞けました。また、人間の役に立つものを与えてくれる家畜に対して、「感謝して食べる」「いただきますを大きな声でいう」なども聞かれました。

最後は、野生動物に対してできることを考えました。これまで考えてきたペットや家畜とは違って、人間が世話をせず自分の力で生きているのが野生動物です。人間と野生動物は豊かな自然を共有して安心でつながっています。
パネルの絵をヒントに、豊かな自然の中で暮らす野生動物のためにできること、自然そのものに対してできることを考えます。
「分からない。難しい」と質問も多く受けましたが、みんな一生懸命考えてホワイトボードに書いてくれます。

書き終えた後、子どもたちからは「車で山にいかない。排気ガスをまかない」「森を増やす」「ゴミを捨てない」といった意見がでました。また、「木を切らない」「動物たちのたべものを取らない」「工場のけむりが山へ行かないようにする」という意見もありました。

子どもたちと一緒に考えた「私たちが動物のためにできること」は、私たち人間が動物たちのために行動する果たすべき「責任」であると言うことができます。人間が動物の「いのち」のために果たすことができる「責任」を「動物とのやくそく」と認識してもらいました。

💧マークの動物が❤マークになるために3つのすみかに住む動物に対してのニーズは違います。そこで自分には何ができるのかを、一生懸命考えてれます。みんな書くときはとても集中していて、時間締切りを伝えても「まだ!」と必ず返ってくるくらい真剣に取り組んでくれます。そしてそれぞれのすみかの人間と動物の関係が違うことにも気づきます。

最後に「今日から自分たちにできることを少しずつ行っていってくださいね」と子どもたちに伝えます。例えば早速今日からみんなでできることで、給食のときに家畜からもらったものや、作ってくれた方々に対して感謝をこめて「いただきます」と「ごちそうさま」を言うこともできることのひとつです。みんなは「それならできる!」と心強い返事と笑顔を返してくれました。

「覚えておくからね!」と子どもたちからの言葉をお土産にいただき、「いのちの教育」プログラムの全てを終えました。
この授業が大きくなっても子どもたちの心に残っていることを願います。

「いのちの教育」プログラムは「気づき」「共感」「責任」がキーワードです。
この3つのプログラムは動物を通して「他者へ共感する感性と自他の生命を尊重する態度の育成」「思いやりや協調、道徳的心情などの豊かな人間性の基盤の構築」「社会的規範意識の醸成及び向上」という効果が期待される教育プログラムです。

2年生の皆さんからメッセージをいただきました!とても嬉しいことです 

 ありがとう!感激しかありません

                    ※御許可をいただいて掲載しております