令和5年度「和犬教室」(12月9日)
12月とは思えない暖かな土曜日です。
近藤悦子先生を講師にお招きして「和犬教室」を開催しました。「和犬教室」は、「自立心旺盛」「頑固」「警戒心が強い」といわれる特性を持った柴犬等の日本犬を対象としたしつけ方教室です。
今日参加の犬は2匹。同じ7ヶ月の柴犬の子犬です。
まず、自己紹介の後、良い所と困っているところをそれぞれが話し、それを踏まえながら園内の散歩に出ました。
2匹とも人も犬も大好きな子犬たちですが、まだまだ子犬のためとても元気で、グイグイと引っ張ってしまうそうです。
散歩の途中では、2匹とも同じ月齢ということで2匹で元気に遊び始めました。
子犬にとって同じような月齢、年齢の犬同士で遊ぶ経験も成長には大切です。
しばらく遊びながら、相手の様子を見て興奮し始めたら少し離して興奮をおさめるようにします。離れた後、身体をブルブルと振るわせていると、自分の気持ちを落ち着かせようとしているサインだということでした。
今日のわんちゃん達は、月齢も同じ遊ぶのも大好きというわんちゃん達ですが、そうではない子もいます。
相手が嫌がっていないかなど様子を見ながら遊ばせますが、嫌がっている犬と遊ばせて、唸られたりしてしまうと、犬をみると攻撃的になってしまうということがあるそうです。
お散歩の途中で、「オスワリ」「アイコンタクト」「オイデ」の練習をしながら、2匹ともご機嫌でお散歩をしていました。
部屋に戻ってきてから、次にスライドを見ながら柴犬という犬種の特徴などをお話していただきました。
柴犬は遺伝子的にオオカミに一番近い犬種だということでした。
性格も頑固だったり、警戒心が強いということがあるそうですが、ただ、一般的にはそうでも、やはり人間と同じで性格も違えば、親や育ち方によってもちがってくるということです。
犬と人間が共に暮らしていく上で、犬のニーズを満たすことが生活する上で大切であり、それは散歩だけでは満たせないため、家でも一緒に遊ぶということが大切になってくるそうです。
また、犬のしつけとは人間のルールを教えることです。
犬が咬む、吠えるということは犬にとっては気持ちを表す手段ではありますが、人間と一緒に生活をしていくには、人間のルール「咬まない」「吠えない」などを教えることが必要になってきます。ただ、無理やり押さえつけたり手をだしたりすると、手に対して嫌な印象をもってしまいす。
今日のわんちゃんたちは、ハーネスをつけるのを嫌がるそうです。
特に柴犬など和犬の場合、嫌がっているのを無理やりしていると、そのうちそれが爆発して咬むようになってしまう場合があるとのこと。
ハーネスを手に持ち、おやつで誘導しながら、犬が自ら首を通した時にご褒美をあげて褒めるということを繰り返しながら、徐々に馴らしていく方法を教えていただきました。
この時、無理やり首を通したり、ハーネスを装着していると、やはり手に対して嫌な印象をもってしまうそうです。
人間が「これくらいなら大丈夫」と思っていても、よく見ると装着しようとすると、後ろに下がったり、顔を背けようとするなど犬が嫌がっているサインを出していることがあります。
今日の飼い主さんも、「嫌がっていないし大丈夫と思っていたけど、ほんとは嫌がっていたのか」と改めて気づかれたようでした。
散歩から帰ってきて足を拭くときにも、嫌がるようなら一本ずつ優しく拭き、一本拭いたら褒めてご褒美をあげ、それに慣れてきたら次は足を2本拭いたら...というようにしながら、基本的には足を拭いたらご褒美をあげるということを続けていくようにします。
これはブラッシングの際にも言えることで、おやつなどで気を引きながらブラッシングします。まずは嫌がらないで慣れさせることが大事とのことです。
どんなことをするときにも、まずは嫌がっているサインを出しているのに無理やりしない。散歩などでしっかり発散させる。そして、和犬は頑固、こだわりが強いと言われていますが、それにうまく対応しながら、犬と良い関係を築けたらお互いが幸せに暮らしていくことができます。
先生から、もし、何か困ったりわからないことがあれば、しつけ教室に参加するなどしてくださいとの助言がありました。
今日、参加された方からは「とても勉強になった」「和犬の特徴を理解して、しつけや接し方を変えていかないといけないと思いました」「人間が思っている以上に犬が嫌がっている場合があるため行動を注視していかないといけないと思いました」などの感想がありました。
今年度の和犬教室は終了しましたが、次回の開催が決まりましたら共生センターのウェブサイトでご案内させていただきます。
和犬教室を担当していただいた近藤先生は、毎月1回第一金曜日に、こうべ動物共生センターにおいて「問題行動」に関する電話相談も担当してくださっています。問題行動でお困りの方は是非ご相談ください。