令和5年度「いきものといっしょ」(11月6日)

11月6日(月)、トライやる・ウィークで職業体験に来られた2名の中学生が、神戸市副読本「いきものといっしょ~みぢかなどうぶつに目をむけてみよう~」を活用し、人と動物の様々な関わりについて学んでくれました。

兵庫県発のトライやる・ウィークとは、中学2年生を対象とした一週間の体験活動のことで、職場体験、福祉体験、勤労生産活動など、地域での様々な体験活動を通じて、働くことの意義や社会の一員としての自覚などを高めることを目的としています。原則として6月または11月を中心とする1週間、中学2年生の生徒が自分の学校を離れ、様々な施設等で体験活動を行います。
こうべ動物共生センターでは、譲渡動物の飼養管理や神戸市動物管理センター実施の譲渡申請者宅の家庭訪問に同行するなど譲渡事業の体験のほか、こうべ動物共生センターで実施している様々なプログラムを受講し、「人と動物の共生」について学んでもらいます。
(「トライやる・ウィーク」の詳細については、兵庫県教育委員会のホームページをご参照ください。https://www2.hyogo-c.ed.jp/hpe/gimu/tryyaru/

「いきものといっしょ」では、まず、自分の身の周りにどんな動物がいるのかを考えます。副読本の内容に沿って「まちをあるいているとき」「がっこうであそんでいるとき」「山に行ったとき」の3つの場面で、その場所にいる動物たちを書き出していきます。

街にいる動物としては、犬、猫、カラス、スズメのほか、タヌキやキツネも見たことがあると答えてくれました。街にいる動物の中でも、犬や猫のように家庭の中で暮らし、飼い主である人間が最後まで世話をするのは「ペット」です。
ふたりとも家庭ではそれぞれ犬、猫と共に暮らしているとのことで、自分の家庭の「ペット」についても話を聞かせてくれました。
犬1頭と暮らしている生徒は、家族みんなで世話をしていて、姉妹の名前に数字が入っていることから、わんちゃんの名前にも数字を入れ、「連続した数字になるように考えました」と名前の由来を話してくれました。
猫2匹と暮らしている生徒は、最初に猫の飼育を始めてから2匹目を迎え入れるまで、ペットショップで見かけてから半年間時間をかけて家族で話し合ったそうです。それぞれの名前を決めるときも、「家族で候補を挙げ、投票で決めました」とエピソードを聞かせてくれました。
また、どちらの家庭でも家族で話し合い、「子犬・子猫を増やさない」ことと、「生殖器の病気予防」という観点から、獣医師と相談して不妊・去勢手術を行ったそうです。

学校では、ウサギやカメなどを飼育していたことがあるそうですが、当番・係の人などみんなで世話をしていたと話してくれました。自分たちが卒業しても後輩たちに託し、最後まで世話をします。また、自分たちで世話をする動物以外では、トンビなどの鳥も見かけることがあると聞かせてくれました。

山など自然の中で暮らしている「野生動物」には、イノシシがいると答えてくれました。「野生動物」は、人間が世話をせず、自分の力で生きています。街で見かけたことがあると答えてくれたカラスやスズメ、タヌキ、キツネや、学校で見かけることのあるトンビなどの鳥は、自分たちの身近にいても、人間が世話をせずに自分でエサを探して生きていることから「野生動物」である、と気づきました。

次に、神戸のイラストマップから、様々な人と動物の関わりの場面を探して、自分たちの考えを述べてもらいました。

「一軒の家で猫が多頭飼育されている。ここまでいっぱいになると十分な世話ができないと思う。飼ってくれる人を探したり、最初から増えないように不妊手術をした方がいいと思った」

「ハトにエサやりをしているのは良くない。エサをあげてしまうと、自分でエサをとることを忘れてしまうかもしれないと思う」

「犬にリードをつけずに散歩している場面を見つけた。人に飛びついたら迷惑をかけるし、どこかで車にひかれるかもしれないから危ないと思う」

「猫が車の中で苦しそうにしている。このまま放っておくと熱中症になってしまう。連れて出たのなら一緒に外に連れて行けるところに行くべきで、一緒に行けないなら留守番をさせてあげた方がいいと思った」

最後に、動物たちと関わる上でどんなことに気をつけたらいいのか、動物の気持ちを考えながら、冊子に書かれているヒント以外にも自分の意見をまとめてもらいました。

【ペット】
・犬の散歩をしているときは、犬から目を離さない。
・公園のルールを守って、楽しく散歩する。
・猫を捨てたりせず、最後まで責任を持って飼う。
・増えないように不妊手術をする。
・体調に異変があったら動物病院へ連れて行く。
・元気なときも、病気予防のワクチンなどのために病院に行く。

【学校飼育動物や家畜】
・家畜のいる牧場で、接することができるときは、優しく触る。
・ふれあうことが動物のストレスにならないように気をつける。

【野生動物】
・山で出会ったら静かにそっと逃げる。驚かさない。
・自分でエサをとることができなくなったらその動物が困るので、エサをあげない。

今回学んだことを家庭で話題にして振り返ったり、学校で友だちと話し合って共有してもらうことで、「人と動物の共生」について考える機会とし、より理解を深めてもらえることを願っています。

プログラムの受講だけでなく、保護犬・保護猫の世話などの職業体験を通して、最後に「今まで知らなかったことを学ぶことができて良かった。家でのペットとの暮らしにも活かしたい」「直接保護動物と関わることができ、他では体験できないことを体験させてもらえた。次に新しくペットを迎えたいときにはここに相談に来たい」という感想を聞かせてくれました。

「いきものといっしょ」は通常は週に1回(土曜日または日曜日)開催していますが、トライやる・ウィークのように平日開催についても対応させていただいています。

希望される方はこうべ動物共生センターまでお問い合わせください。

いきものといっしょ