2023.10.31

令和5年度「来所相談」(10月)

実施実績:10月4日(水曜)2件

相談犬種:トイプードル(9ヵ月 メス)/トイプードル(3歳9ヵ月 オス)

【トイプードル 9ヵ月 メス】

「無駄吠え、音に反応する、通行人に吠える、朝起きたら吠える」

5ヶ月前にペットショップからお迎えしたとのこと。

来た当初は、抱っこをして外に散歩に行っても大丈夫だったそうですが、今では手あたり次第に吠えてしまい、家でも子どもさんのお友だちが来たら反応して吠えてしまうそうで、散歩もうまくできないようになってしまったそうです。

犬が吠えるということは自然なことなので、吠えることそのものがダメだとは思わず、吠えてもらいたくないときに、「やめてね」と言ったら吠えるのを止めることができるように、静かにできたらごほうびを与える、ちゃんと座って待てたらごほうびを与えるなど繰り返すことで、飼い主の言うことを聞けば良いことがあるということを犬が学習するトレーニングをしてみることをお伝えしました。

また、犬によっておやつがごほうびであったり、抱っこしてもらうことがごほうびになったりと、何がその子のごほうびになるのかは、その子の様子をみながら判断していくようにします。そうやって犬と意思疎通を図っていくことで、飼い主との信頼関係ができて、飼い主が犬にとって安心できる存在になっていけば、散歩に出ても怖がらずに歩くことができ、散歩で運動量が増え満足度もあがれば、無駄吠えも減っていくとお話させていただきました。

散歩については、歩かないからとすぐに抱っこしてしまうのではなく、名前を呼んで来たら褒めてごほうびをあげるなど、ごほうびを上手に使いながら散歩を楽しいと思うようにする工夫も必要であるとお伝えしました。

【トイプードル 3歳9ヶ月 オス】

「最近、両親と同居を始めたが、両親にのみ噛みつく」

以前も一度ご相談に来られたのですが、最近、ご両親と同居を始められたそうで、そのご両親を噛むという相談でした。

ご両親には以前から犬を預けたりされていたそうですが、その時には嚙まなかったとのこと。

犬もご両親にはかわいがってもらえていることはよくわかっていると思いますが、環境が変わったことで不安もあり、今、ご両親のことを家族だと認識している途中ではないかとお伝えさせていただきました。

また、撫でていたら突然噛むことがあるということですので、どの犬も撫でられたら喜ぶわけではなく、嫌がるサインを出していたらやめる。犬の方から構ってほしいと自分から寄ってきたときには、すぐに触ったり構ったりするのではなく、一旦、オスワリなどの指示を出し、聞いてくれたら構ってあげてごほうびをあげるなどして、こちらの言うことを聞くようにという姿勢を見せていくことも大事であるとお伝えしました。

まだ、同居を始めて間もないため、時間はもう少しかかるかもしれませんが、ゆっくりと犬と付き合っていくという気持ちで、お互いがストレスにならないように暮らすことが大切ですとお話させていただきました。

実施実績:10月28日(土曜)

相談犬種:ラブラドール・レトリーバー(3歳メス)/柴 (1歳3ヶ月メス)/ミニチュア・シュナウザー (6ヶ月オス)

【ラブラドール・レトリーバー(3歳メス)】

「吠えるのをやめさせたい(インターフォンが鳴ると吠える。外の道路に通行人の気配があると吠える)」「突撃してジャンプします」という内容のご相談。

普段リビングで犬は自由に過ごしていて、玄関にも近く外が見えやすい。家は住宅街の中で静かな環境。家の中もテレビなどはあまりつけずに、静かとのこと。

相談者が1ヶ月の入院中、朝は大型犬の飼育経験がない人、夜は飼育経験がある方に散歩をしてもらっていたため、散歩に連れて行ってくれる人がインターフォンを鳴らすことでピンポンに反応するようになったということでした。

吠えることを少なくするために、犬がすごす場所を外の様子が気づきにくい場所に移動することをおすすめしました。静かな場所だと外の様子に気がいきやすくなるので、ラジオやテレビなどの音を聞かせて周りの物音に気づきにくくすることも提案してみました。

日常的にトレーニングをする習慣がなかったため、短時間でよいので日常生活の中で「おすわり」「ふせ」「まて」のトレーニングを行うことをおすすめしました。

並行して、飼い主に注意が向けられたときに名前を呼んで犬を呼び寄せ、やってきたらごほうびを与えることを繰り返してはどうかとお伝えしました。「呼び」に対する反応を良くするように心がけていると、徐々に飼い主に対して関心が向けられるようになって、指示をきく素地もできてきます。

日常的に「まて」などの飼い主の指示に従わせるトレーニングをしっかりとすることも大切です。餌の準備をしているときに、クレートやサークルの中、クッションの上など飼い主の指定した場所で待つトレーニングをして、吠えそうになったときに指示を与えることを繰り返すことで、吠える代わりに指定の場所で待つ行動へと替えることも可能です。

相談の後、飼い主と愛犬とでリードのコントロール方法など、散歩時に必要なコツを実際に体験して頂きました。

写真のように、飼い主に関心を向けているときは指示もききやすいので犬に注目されるように心がけてください。

【柴 (1歳3ヶ月メス)】

「怖がりな面があり、無駄吠え、噛み癖がある」という内容のご相談。

噛み癖がひどく、本気噛みをする。特に散歩中に噛む。

散歩のときは、先々、自分が前に行こうと興奮気味。止まって座り込むことも多く、無理に引っ張ると怒って噛んでくる。他の犬を見ると興奮気味になる。満足に遊べないと、興奮がおさまらないのか、飼い主を噛んでくることがある。

家では比較的大人しいが、家具等、噛んではいけない場所を「噛んだらダメ!」と注意すると、それに対して怒り噛んでくる。

住宅街で散歩をしているときなど、行きたくないとふせの姿勢のままで動かない、無理やり動かそうとすると噛んでくる。動かそうとリードを引っ張ると足首を噛んでくる等。

基礎的なトレーニングを日常的には行っていなかったため、普段の生活の中で行うことをおすすめし、具体的なやり方をお伝えした。

噛むなど、飼い主にとって望ましくない行動をしたときには、行動した瞬間に「いけない」などの言葉を言ってから、犬から離れてみることも提案してみました。

噛むことをやめさせる前に、「まて」などの犬の行動を制御するトレーニングを繰り返し、犬が飼い主にとって良くない行動をする前に止めることを心がけるようにお伝えしました。

名前に対する印象を良くし、声がけをすると飼い主に注目するように普段の生活の中でトレーニングすることを習慣づけ、名前を呼べば飼い主の元にやって来るようにトレーニングします。散歩中に動かなくなったら呼び寄せてごほうびを与えることを繰り返し、少しずつ散歩の距離を伸ばしていくようにトレーニングすることをおすすめしました。

【ミニチュア・シュナウザー (6ヶ月オス)】

「手や服に噛みつく(人、服、ブラッシングの際のブラシなど)」「外を歩く人やインターフォンに吠える」「拾い食い、ウンチを食べる」「散歩に出た際、興奮して吠えまくる(インターフォン、外の音、自転車やバイクなど)」という内容のご相談。

子犬で基礎的なトレーニングを日常的に行っていなかったため、普段の生活の中で行うことをおすすめしました。ごほうびを使って「おすわり」「ふせ」のやり方を具体的に説明して、お子さんにも実際にやって頂きました。

基礎的なトレーニングを行いつつ、名前を呼んでやってきたらごほうびを与えることを繰り返し、犬にとって名前を呼ばれることに対する印象を良くし、飼い主に注目させるよう心掛けることをおすすめしました。

飼い主が指定した場所で大人しく待つトレーニングを繰り返し行い、「まて」などが十分にできるまでトレーニングをした上で犬が行動を起こす前に制御するよう心掛けることをお伝えしました。

拾い食いに関しては、犬が気づく前に飼い主が先に見つけて止めるようにすると共に、ある程度トレーニングができてから、わざと道におやつなどを置いて近づかないようにしつける方法等があることもお伝えしました。

飼い主にとって問題となる行動をやめさせるためには、普段のトレーニングが欠かせません。どの相談にも共通することですが、飼い主の指示に従わせるためには、まず「おすわり」「ふせ」「まて」などの飼い主の指示に普段から従うことが必要になります。

一度の来所相談で解決できない場合も、当センターでは飼い主の方とご相談しながら新たな解決への糸口を見つけられるよう、繰り返し飼い主の方と共に考えていきます。

来所相談は、訓練士や愛玩動物飼養管理士等の有資格者が、皆さまのお困りごとに対して一頭一頭に合わせたアドバイスをさせていただきます。

事前予約は下記リンクよりお申し込みください。

お困りごと相談受付