令和5年度「VRで体験!いぬねことのくらし」(8月9日)

8月9日(水曜)、こうべ動物共生センターで初めての開催となる「VRで体験!いぬねことのくらし」を実施しました。小学生2名が、付き添いの保護者と共に参加してくれました。

こちらのプログラムは、生身の動物に触れる前に疑似体験できるツール(VR)の活用をとおして、動物の習性や行動について理解を深めるプログラムです。犬猫との正しい接し方や適切な飼育について学び、動物の気持ちを想像し、実際に動物に接するときにはどんなことに気をつけたらいいのかを子どもたちが自ら考え、他者に対する共感や思いやりの心を育てます。VRを使用しますので、動物アレルギーがあったり、実際に本物の動物に触れるのが少し怖いと感じているお子さんにも安心してご参加いただけます。

VRの機材(ゴーグル、ヘッドフォン、ルーター等)は、ネスレ日本株式会社ネスレピュリナペットケア様にご協力いただいております。VRでの視聴プログラムは、ネスレ日本株式会社様が包括連携協定を締結されている大阪府の協力のもと制作され、「犬や猫のかわいさと正しいふれあい方」「犬猫の正しい飼い方」について学べる内容となっています。
VRを使ったプログラムについては、ネスレ日本株式会社ネスレピュリナペットケア様のウェブサイトをご覧ください。
https://nestle.jp/brand/purina/csv/wannyan-class/

VR体験の前に、参加してくれたご家族には、こうべ動物共生センターがどんな施設なのかを説明させていただきました。「共生」という言葉は、「人と動物がお互いの関係を大切にして一緒に暮らしていこう」という意味です。日本の公的機関で初めて「共生」と名付けられたこの施設は、「共生について皆さんと一緒に学び、人と動物が共に幸せに生きていくことができる社会を一緒に創り上げる施設です」と伝えたところ、付き添いの保護者の方も共感をしてくださり、大きくうなずいておられました。

いよいよ、ゴーグルを装着してプログラム視聴です。VRという言葉を耳にする機会はありますが、実際にゴーグルを持っているという方はまだ少数です。今回参加してくださったご家族もVRの機材を見たことはあったそうですが、このようなプログラムでの体験は初めてとのことでしたので、子どもたちだけでなく保護者にも装着していただき、一緒に映像を視聴していただきました。
プログラムの前半では、映像をとおして犬や猫の愛らしさを知り興味を持ってもらうだけでなく、「犬・猫との正しいふれあい方」がまとめられています。「犬へのあいさつの仕方」については、飼い主さんに「さわっていいですか?」と尋ねてから、最初は手をグーにして犬の鼻先に差し出しにおいを嗅いでもらうい、その後であごの下や胸をそっと撫でる方法が紹介されています。本当に目の前に犬がいるかのような映像を見ながら、子どもたちも「さわっていいですか?」と実際に声に出し、そっと手を差し出して疑似体験をしました。

猫については、「無理に近づいたり追いかけたりしない」「自分から近づいてきてくれるのを待つ」のが大切であることを学びました。

前半のプログラム視聴後に、実際に「犬へのあいさつの仕方」をぬいぐるみを使って練習してみました。このような体験をとおして、実際に犬に出会ったときにどうすればいいのか知っておくことは、相手の犬を驚かせてしまったりすることを防ぎ、飛びつきや咬みつきなどの思わぬ事故を防止することにもつながります。

後半のプログラム映像では、犬や猫と暮らす上で大切なことを学びましたが、学んだ内容の理解を深めるため、環境省発行「どうぶつといっしょにくらそう」の冊子からワークシートを活用し、犬や猫の気持ちを一緒に考えました。

「どうぶつといっしょにくらそう」ワークシート

家の中にいる犬のイラストを見て、「楽しいって思っている」「あそんで、あそんで、って言っている」と想像してくれました。
また、膝の上で抱かれている猫のイラストでは、「気持ちいいって感じていると思う」「極楽、極楽って思っている」と意見を述べてくれた一方、ベッドで寝ているところを撫でられている猫の絵では、「さわらないで」「放っておいてほしい」と猫の気持ちを想像してくれました。

車の中に置き去りにされている犬については、「置いていかないで」「一緒に連れていって」と犬の気持ちを想像した上で、「熱中症になるから車の中に残して行ったらいけない」「一緒に外に連れて行く」と答えてくれました。

迷子になっている犬については、「どこかわからなくてこわいよ」「飼い主さんどこなの」と不安に思っている気持ちを想像してくれました。不安になっている犬は、近づいたり触ろうとすると唸ったり、驚いて人を咬んでしまうこともあります。
視聴プログラムの中で、飼い主とはぐれて迷子になっている犬が近づいてきた場合には、電信柱のようにじっと動かず犬が通り過ぎるのを待つ「電信柱作戦」が紹介されていたので、犬が通り過ぎた後に自分たちが迷い犬のためにできることと、迷子にしないためにはどうしたらいいのかを考えてもらいました。「大人に助けを求める」「迷い犬がいることをセンターに伝える」「飼い主の連絡先が分かるように名札をつけておく」と自分たちにできることを考えてくれました。

今回のプログラムを体験していただいたことで、「家にはきょうだいもいますので、冊子を一緒に見て話題にしたい」と言ってくださる保護者の方もおられました。

令和5年度は、8月9日(水曜)・26日(土曜)の2日間の開催でしたが、来年度も夏休みに開催する予定です。楽しみにお待ちください。

VRで体験!いぬねことのくらし