2023.08.21
令和5年度 獣医師体験プログラム「公務員としての獣医さんの仕事」(8月21日)
8月21日(月曜)、神戸市西部衛生監視事務所より南優姫先生を講師にお迎えして、「公務員院としての獣医さんの仕事」について、お話をしていただきました。
「獣医さん」というと、ペットの病院を治療する動物病院の先生というイメージがありますが、公務員としての獣医師の仕事は、「ペットショップのように、動物を仕事として取り扱っているお店への立ち入り検査」「レストランや食品工場などへの立ち入り検査」など、お店がきちんと衛生的に営業されて、法律に則って運営されているかなどをチェックしたり指導をする仕事も含まれていて、とても活躍の場が広いとお話しくださいました。
まずは、保健所と衛生監視事務所について説明をしてくださいました。普段、あまり自分たちに関わりがないところのように感じますが、実は「みんなのこころとからだを健康にするために必要な様々のことをしています」と、実際の仕事場の風景写真を交えながら話をしてくださいました。
衛生監視事務所は、食品、環境、動物の衛生を監視することが仕事で、営業している店が衛生的に保たれているかを監視および指導・規制をしている事務所で、店の営業状態を実際に見に行って基準が守られていないときには注意をしたり、時には罰することもあるそうです。みんなの健康が守られる店として、法律に基づいて営業してもらえるように指導をしてくれているのです。
実は衛生行政って、明治時代には警察が行う仕事だったそうです。「規制」は強い力を持っていますが、社会が変わるとそれに合わせてルールを変えていくことも必要になり、これからは「規制緩和」の時代だそうです。
食品の場合は、生肉で集団食中毒が起きた事件をきっかけに、生肉を提供するのを禁止する法律ができ、保健所が強い「規制」をしたそうです。一方で、おふろの規制を緩めて、これまであまり作れなかった「銭湯」を、地域の交流のために増やそうというはたらきもあるそうです。また、美容院や動物病院へも注意へ行き、経営者である社長さんやお医者さんなどに直接会って指導することもあると話してくださいました。
次に動物と楽しく暮らすにはどうしたらいいかを教えていただきました。
ペットショップではペットの販売のしかただけでなく、違反があれば立ち入りをして改善を促し、ペットの飼い主に対しては人を噛まないように犬をリードで制御する方法など、事故が起こらないような指導もされています。
事務所には様々な問合せがあるそうですが、「ペットを飼うにあたっての配慮ができていない人がいるのは残念。人の生活に迷惑を掛けない配慮が大切」と言っておられました。
猫に関しては、「野良猫に困っている」という通報が多く、「助けたい」と思う方がいる一方、「嫌い・苦手」という人もいるので、不妊手術を実施しながら、今いる野良猫を地域で見守りつつ、野良猫を増やさないためのルールも作られたそうです。飼い猫になれる猫が増えるように、これからペットを家庭に迎えたいと思うときには、是非「こうべ動物共生センター」のことを思い出してくださいと言ってくださいました。
最後に、「保健所の獣医師は人の生活に入り込んでいる動物が対象なので、動物の健康が深く人の生活に関わるのです。公務員としての獣医師と動物病院との違いは、目の前の動物を治すのが専門ではなく、社会の問題を解決するという役割を担っている」と話してくださいました。
参加してくれた子どもたちからは、「学校の道徳の授業で保険所は犬や猫を殺すところと聞いていたが、今日話を聞いて、今はできるかぎり飼い主さんを探しているという努力が素敵だと思いました」「動物が健康で幸せに生きるためには、動物を飼育する環境が健全であったり、周りの人がまず健康であることが大切をいうことが知れてよかった。獣医師さんが、保険所の仕事として規制をしていることも知れて良かったです」「動物病院で働く獣医師さんと保健所で働く獣医師さんの違いが分かって面白かったです」「飼い主になるにはどうすればいいかという話がためになりました」「獣医師の仕事の多さと獣医師の需要の多さ」など、多様な感想が寄せられ、多くのメッセージがこどもたちに伝わったのではないかと感じました。
神戸市のホームページよりhttps://www.city.kobe.lg.jp/a84140/kenko/health/hygiene/animal/index.html
獣医師体験プログラムは、様々な現場でご活躍の獣医師の先生に講師をお願いし、幅広い獣医師の世界を体験していただく内容となっております。皆様のご参加お待ちしております。
参加をご希望の方は下記のリンクをご確認のうえ、お申込みください。