令和5年度「いきものといっしょ」(8月4日・8月11日動物愛護スクール)

8月4日(金曜)・11日(金曜)の2日間にわたって、神戸市主催事業「動物愛護スクール」を開催し、プログラムのひとつとして「いきものといっしょ」を実施しました。4日(金曜)には小学3・4年生が9名、11日(金曜)には小学5・6年生が8名参加してくれました。

「動物愛護スクール」は、動物の気持ちや「いのち」の大切さを学ぶことを目的に、神戸市主催事業としてスタートし、神戸市動物愛護協会様(令和3年3月閉会)よりご支援をいただきながら、スクール実施に必要な教材を制作して、神戸市動物管理センターで実施してきました。
平成29年度からは公民館の主催事業となり、コロナ禍前までは動物管理センターで実施していましたが、昨年より開催場所をこうべ動物共生センターに移し、今年は神戸市主催事業として実施することとなりました。

「いきものといっしょ」は、通常は毎週1回(土曜日又は日曜日)実施しているプログラムで、付き添いの保護者の方も一緒にご参加いただいています。神戸市副読本「いきものといっしょ~みぢかなどうぶつに目をむけてみよう~」を活用し、人と動物の共生について学びます。

今回の「動物愛護スクール」では、こうべ動物共生センターのふれあい室を使って、私たちの周りにいるたくさんの動物との関わり方について考えるために3つのグループに分かれ、この教材を使って学習することにしました。

まずは、自分たちの身の周りにどんないきものがいるのかを書き出して、発表してもらいました。
「まちをあるいているとき」には、犬や猫など家庭で飼育しているいきものだけでなく、カラスやスズメなどを見かける、「がっこうであそんでいるとき」の場面では、学校で飼育しているカメや金魚などがいるという意見が出ました。「山に行ったとき」に見かけたいきものとしては、ヘビやイノシシを見たことがあると答えてくれました。子どもたちから出た意見をもとに、それぞれの場面で見かけるいきものと私たち人間の関わりについて考えます。

先程の意見で出たように、街では犬や猫のように家庭で飼育されていて人間がお世話をしているペットだけではなく、人間がお世話をしていないカラスやスズメも目にすることがあります。
学校などで育てられている動物は「当番の人が世話をしている」ので、ペットと同様、私たち人間が「死ぬまで大切にお世話をする」ということに気づいてくれました。
一方、野生動物は人間が世話をしている訳ではなく、自分の力で生きており、「エサは自分で探している」という意見を出してくれました。そうしたことから、カラスやスズメは野生動物であるということに気づきます。
こうした関係性を考えることで、子どもたち自らが、人間が死ぬまでお世話をするペットと、自分たちの力でエサを獲って生きている野生動物との関わりの違いについて学びます。

次にイラストマップの中から、神戸の街で暮らす人と動物との様々な関わりを探しました。

「犬の散歩でウンチを拾っていない人がいる。きちんと拾って持って帰らないといけない」「山でイノシシに出会っている。静かに逃げたらいい」「牧場でヒツジを撫でている人がいる。牧場で飼われている動物も最後まで世話をする」「捨てられている猫がいる。保護して飼ってくれる人を探してあげる」「猫が車の中で置き去りにされている。熱中症になるから、車の中に置いたままではいけない」等、自分たちで気づいたことを発表してくれました。

また、様々な関わりの場面を探すだけでなく、私たちが動物の気持ちを考えてどんなことに気をつければいいのか書き込みました。
ペットや学校飼育動物・牧場などで飼育されている家畜については、「一生飼うという覚悟を決めてから飼う」「必要な世話をして責任を持って飼う」といったように、「責任」という言葉を子どもたちが自ら記載しており、お互いの意見を発表し合うことで、私たち人間が果たすべき「責任」について考えることができました。
また、野生動物は、一見、人間と関係が無いように思えますが、自然の中でイノシシに出会った場面などをとおして、彼らのすみかである自然を守ることが人間の「責任」であることにも気づきます。

冊子を使った「いきものといっしょ」で学んだ後は、神戸市で保護される犬猫の現状について話を聞きました。迷子になったまま元の飼い主が判明しなかった犬猫や、飼い主の死亡・入院等、やむを得ない理由で引取りを行った犬猫は、新しい飼い主を募集しています。「いきものといっしょ」でも学んだように、「責任を」持って飼育し、犬猫と暮らすためには何が必要なのかを一緒に考えました。

給餌給水のほか、安心して休める寝床、一緒に遊ぶためのおもちゃ、犬の場合は散歩、迷子にならないための鑑札・狂犬病予防接種済票、迷子札やマイクロチップの必要性、病気予防のためのワクチン、病気にかかった場合の医療費等のほか、お世話に費やす時間と、愛情が必要であると学んだ後は、動物飼養棟に移動して、グループ毎に、こうべ動物共生センターで新しい飼い主とのご縁を待つ犬猫のお世話を体験しました。

一頭ずつのフードの量や投薬が必要な動物がいることも教えてもらい、フードの計量も体験

ふれあった猫のプロフィール作成のために、性格や特徴などメモを取っています

マイクロチップの仕組みも教わりました

お世話体験の後はふれあい室に戻り、3・4年生は「ふれあった犬猫のプロフィール作り」、5・6年生は「ふれあった犬猫の写真を使ってインスタグラムの記事作り」を行いました。新しい家族とのご縁につながることを願い、自分たちが実際に接した犬・猫たちのPRポイントをまとめてくれました。

譲渡候補犬ジェットのプロフィール作成「早く新しいお家に行けますように」

センター長・ラピについてまとめたグループもありました

譲渡候補猫・キリのPR、グループのみんなで分担して仕上げました

3・4年生の子どもたち作成のプロフィールはこうべ動物共生センターふれあい室に掲示しています。


インスタグラム用の写真撮影「いいお顔見せてね」

猫と遊びながらの写真撮影「こっち向いててね」

タブレットを使ってインスタグラムの更新

5・6年生の子どもたちが投稿してくれたインスタグラムの内容を紹介します。

こうべ動物共生センターのインスタグラムのフォローがまだの方は是非この機会にお願いいたします。

今回の「動物愛護スクール」で、「いきものといっしょ」をはじめとした様々なプログラム・体験を通して、「人と動物が共に幸せに暮らせる社会」について子どもたちが真剣に考えて取り組んでくれました。自分たちが、その社会を作っていく一員であるという理解を深めてもらえたのではないかと感じています。

「動物愛護スクール」でも実施した「いきものといっしょ」は、毎週1回(土曜日又は日曜日)開催しております。学童保育や子ども会等グループでの受講希望がございましたらお問い合わせください。夏休みなど学校の長期休業期間だけでなく、土曜日又は日曜日の開催日以外でも学校行事の代休日など、可能な限り対応させていただきますのでご相談ください。
参加希望の方は以下のリンクよりお申し込みください。

いきものといっしょ