令和5年度「お散歩診断」・座学(6月8日)

通常のお散歩診断は、しあわせの村内を講師の渡辺ひろ子先生と一緒にお散歩をしながら実施されますが、今回は雨予報のため、「犬たちの本音のおしゃべり」と題して、室内での座学となりました。

ちょうど、トライやるウィークでこうべ動物共生センターに来ている中学生2名も参加してくれました。

講師 渡辺ひろ子先生

まず、犬のボディランゲージについての説明がありました。ボディランゲージとは、犬が耳・尻尾・目・姿勢など、身体を使って気持ちを表現することです。ボディランゲージを知ることで、「犬の声を読み取る」ことができます。

ボディランゲージを知ることで、尻尾の振り方一つをとっても、犬が多くのおしゃべりをていることが分かるようになります。また、耳の向きや白目が見える、身体の重心が低くなったり後ろに引けるなど、全て犬が気持ちを表す手段であり、飼い主もそれを読み取ることで犬と仲良く暮らせるようになるのです。

気を付けることとして、先生からは、「一つひとつのパーツごとにボディランゲージを見ることも必要ですが、それだけだと気持ちを見誤ることもあるので、犬のボディランゲージ全体を見て判断することが大切」と説明がありました。

例えば、犬が楽しそうに笑っているように見えても、よく見ると奥歯まで見せて口を開け、口の横にしわが寄っているときには喜んでいるのではなく、ストレスを感じているそうで、「ストレススマイル」と言われるものだそうです。

次に、「ウチのコどのタイプ?」と題して、「元気いっぱい!張り切りタイプ」「えっへん!自信満々タイプ」「怖いよ~不安タイプ」の3つのタイプについて、それぞれ映像を交えながらの説明と対処方法をお話ししてくださいました。

「元気いっぱい!張り切りタイプ」の一例として飼い主をぐいぐい引っ張って行ってしまうように散歩をする子がいます。散歩の時に飼い主とゲームをして遊ぶなど、エネルギーを発散させながら散歩をする「散歩の充実」がポイントになります。

「えっへん!自信満々タイプ」の一例では、わが道を行く!まるで飼い主を従えているように自由に散歩をする子を見かけます。普段の生活の中でルールを教えながら、十分にコミュニケーションをとり「飼い主に意識を向ける」がポイントになります。

「怖いよ~不安タイプ」で見かけるのは怖いからワンワン吠える子です。お散歩で一番トラブルが多いのはこのタイプだそうです。犬が「怖い」と感じているボディランゲージを出している時に、飼い主さんが守ってあげることで、「大丈夫を教える」がポイントになります。

実際に先生のお話をお聞きし、自分の犬はワンワン吠えるので「自信満々タイプ」だと思っていたのに、実は「不安タイプ」の怖がりだったと分かった方もおられました。同じタイプの犬だからといって同じような気持ちの表し方をするのではなく、たとえ同じタイプであっても、気持ちの表しかたはそれぞれ異なります。ボディランゲージを読み取り、それに合わせた対処をし、それぞれの犬に合わせてコミュニケーションをとりながら散歩をすることがどのタイプにも言えることです。

ただ、複合タイプの犬もいるとのこと。これだけで自分の犬はこのタイプだと判断するのは難しく判断を誤る場合もあるそうです。できれば飼い主様ご自身が実際に「お散歩診断」に参加され、自分の犬はこのタイプだったのかと理解を深めていただける機会となることを願っております。

質問の時間では「最近、急にお散歩に出るのを嫌がるようになった」という質問に対して、「その場合は、まず体に不調がないかということを疑いますが、それが大丈夫な場合には、次に気持ちのことを考えます。散歩の出だしのときのボディランゲージを見てストレス度を見てみてください」とアドバイスをいただきました。

参加された方からは、「犬の気持ちがわかるように観察したいと思う」という感想をいただきました。この日に学んだことを活かして、これまで以上にわんちゃんとの会話を楽しむことができるようになると良いですね!

次回のお散歩診断は暑い夏を避けて少し涼しくなった時期に開催予定です。

詳細についてはウェブサイトにてご確認ください。

お散歩診断