令和5年度「いきものといっしょ」(6月9日)
6月5日(月)~9日(金)の5日間、地域での様々な体験活動を通じて、働くことの意義や社会の一員としての自覚などを高めることを目的とした「トライやる・ウィーク※」で、中学生の受け入れを行いました。職業体験に来られた2名の中学生には、譲渡動物の飼養管理や譲渡申請者宅の家庭訪問に同行するなど譲渡事業の体験のほか、こうべ動物共生センターの様々なプログラムを受講してもらい、「人と動物の共生」について学んでいただきました。
※兵庫県発の「トライやる・ウィーク」とは、中学2年生を対象とした一週間の体験活動のことで、活動や体験を通して、子どもたち一人一人が自分なりの生き方を見つけられるよう支援していく教育の取り組みとして、心の教育の充実を目指して平成10年度から始まりました。
(「トライやる・ウィーク」の詳細については、兵庫県教育委員会のホームページをご参照ください。https://www2.hyogo-c.ed.jp/hpe/gimu/tryyaru/)
6月9日(金曜)に実施した「いきものといっしょ」では、神戸市副読本「いきものといっしょ~みぢかなどうぶつに目をむけてみよう~」を用いて、神戸市の多様な環境と人間と生き物が共に生活するということについて学びました。
このプログラムは、通常、主に小学生のお子さんと保護者の皆さま向けに実施をしていますが、今回の体験で、こうべ動物共生センターの地域における役割と教育・啓発事業の内容を知っていただくために、自らプログラムを受講していただきました。
まずは、自分たちの身の周りにどんな動物がいるのか書き出します。
ペットは、街で暮らし、飼い主である人間が最後まで世話をします。学校飼育動物や牧場で暮らす家畜も私たち人間が最後まで世話をしています。自然の中で暮らす野生動物は、人間が世話をせず、自分の力で生きています。
それぞれの環境にどのような動物がいるかを発表し合った後は、神戸の街のイラストマップから、様々な動物たちと私たち人間との関わりが描かれている場面を探しました。
限られた時間の中でたくさん見つけられましたが、ひとつ選んで発表してもらいました。
犬の散歩の場面では、犬の様子をしっかり見て散歩している様子だけでなく、犬が排便していても知らん顔の飼い主も描かれています。その場面を選んだ生徒は犬の飼育経験はないとのことでしたが、「周りに迷惑をかけないように犬のフンは持って帰る」ということへの理解が深まった様子でした。
山で登山者がイノシシに遭遇した場面を発表した生徒は「野生動物を驚かせないように静かに逃げる」と意見を述べ、お互いが安心して暮らせる距離の取り方についても考えるきっかけとなりました。
最後に、私たち人間が動物のためにできることを一緒に考えました。
ペットに関することでは、「最後まで世話をする」という以外にも「犬は毎日散歩に連れて行く」「一緒に遊んであげる」「いのちを捨てない」「飼えないなら増やさない」「病気のときだけでなく、元気なときも動物病院に連れて行く(予防)」など、自分たちで考えた意見を書いてくれました。
学校飼育動物や家畜については「みんなで世話をする」「最後まで世話をする」「飼育場所をきれいに保つ」などの意見を聞かせてくれました。
野生動物に対しては、自分の力で生きている動物だからということで、「近づかない」「エサやりをしない」といった自分の考えを書き込んでいました。
このように、学んだことを家庭で振り返ったり学校でクラスメイトと共有してもらうことで「人と動物の共生」について理解を深め、自分たちの身近な課題として考える機会としていただければと願っています。
また、今回の「トライやるウィーク」での保護動物の世話などの職業体験を通して、「食器を落としてしまったとき犬がびっくりしたのを見て、音に対して驚くことがわかった。次からは気をつけようと思った」「接することで犬や猫の気持ちがわかった」「これまで知らなかったことを学べて新たな発見があった」と毎日経験したことを振り返り、実りある一週間となったようです。
「いきものといっしょ」のプログラムは週に1回(土曜日または日曜日)開催していますが、今回の「トライやるウィーク」のように平日開催についても相談の上、対応させていただいています。
学校単位以外でも、学童保育、子ども会などで子どもたちと共に学んでみたいと興味がおありの方は、こうべ動物共生センターまでお問い合わせください。