令和5年度「楽しくしつけを学ぼう~ドッグスポーツにチャレンジ!」(5月19日)

5月19日(金曜)、JAHA認定家庭犬しつけインストラクターの高山美佐先生を講師にお迎えして「楽しくしつけを学ぼう~ドッグスポーツにチャレンジ!」を開催し、7組の方が参加されました。

このプログラムでは、ドッグスポーツの一種でケーナインフリースタイルとも呼ばれるドッグダンスを取り入れています。基本的なしつけ「オスワリ」「フセ」「マテ」等のほか、様々な動きを組み合わせて、音楽に合わせて人と犬が一緒にダンスをするものですが、世界大会が開催されるほど国際的にも人気の高い競技です。こうべ動物共生センターでは、日常のしつけを基に、飼い主さんと犬とのコミュニケーションを深め、楽しくしつけを学んでいただいています。

生憎の雨天で室内での開催となりましたが、参加者の皆さんは雨をものともせずわんちゃんたちと一緒に共生センターまで足を運んでくださり、先生も屋外より手狭な空間ではありましたが、熱心にご指導いただきました。

講師 家庭犬しつけインストラクター 高山美佐先生
 

最初はざわざわとにぎやかな状態でしたが、先生のお話が始まるとわんちゃんたちも静かになりました。先生からは、「重要なことは、わんちゃんが飼い主さんに注目していること」と教えてくださいました。

早速、「わんちゃんと向き合い、飼い主さんに注目できたら褒めてあげましょう!」というところから始まりました。

初めて参加する飼い主さんの緊張が伝わってきましたが「飼い主さんに注目してくれたら正解だよ!と褒めてあげてください。犬自身も、「褒められる」という好きなことが起こると嬉しいんです」と先生から説明していただき、うまくできたわんちゃんたちは、たくさん褒められていました。

次に、先生は「名前を呼んだら、飼い主さんの顔を見ることができますか。お互い向き合った状態から、飼い主さんが左右に移動しても顔を見てくれますか」と問いかけました。「これは、家でも散歩中でもできますので是非やってください。飼い主さんに注目する練習になります」と教わりました。

「今は、他のわんちゃんがたくさんいるので、できなくてもOKです。できたことを褒めてあげましょう。できなくても緊張しているだけなので大丈夫ですからね」と温かいお声掛けに飼い主さんの顔にも安堵の表情がうかがえます。 わんちゃんに合図を出すときには、例えば「フロント」は犬が飼い主さんの正面に来る、「ヒール」は飼い主さんの左横に付く、「サイド」は飼い主さんの右横に付くなど、どんな合図にするのが分かりやすいのかも教えていただきながら、わんちゃんを誘導していきます。「コツは、鼻先に手を近づけて、その手を追うようにすること」とご指導いただきながら、飼い主さんと一緒に180度回ったり、わんちゃんだけが飼い主さんの左横から360度回ってみるなど、様々な動きにトライして、犬が飼い主さんに指示通りに動くことができるのを体験しました。

「誘導する手の動きは、ゆっくりです。動きが早いとわんちゃんの視界から手が消えてしまいます。そうなると手を追いかけられず、追いかけたらダメの合図に感じてしまいますから、手はゆっくりと動かしましょう。もし誘導している途中でわんちゃんが止まって動かなくなってしまうことがあれば、手を大きく動かしてください」

「回るという動作をしているときに、回れたことが正解です。回れたら褒めましょう。回っている途中で褒めるとこれで良いんだと思って座ってしまうことがあります。360度回る練習の時は、360度回れたら褒めます。集中を途切れさせずにいきましょう」

「動かないからと、リードを引っ張って誘導しないようにしてください。ますます動かなくなりますよ」など、要所要所で具体的なアドバイスをいただきました。

わんちゃんは飼い主さんが出す指示通りに回れたらたくさん褒めてもらい回っている途中で止まることもありましたが、飼い主さんは先生のアドバイスを思い出して、わんちゃんの目線から手が外れないようにゆっくり動かして何回もくりかえします。

わんちゃんが止まってしまっても大丈夫です。「右だけでなくて、左や前に後ろにと色々な方向に行くことがあるんだという意識づけになりますから、何回もやっているうちにできるようになります」と先生がわんちゃん目線で温かくお声掛けしてくださいます。

参加者の皆さんは、先生が出す課題の動きに一生懸命取り組まれ、複数の動きができるようになった段階で、「今回練習した動きをつなげて、音楽に合わせてやってみましょう!」と新たな課題に挑戦することになりました。数回繰り返しただけなのでドッグダンスの入口を体験しただけですが、終わったときの笑顔や皆さんの拍手など、参加者の皆さんの達成感を私たちスタッフも味わせていただきました。

参加してくださった方々からは「私の頭のトレーニングにもなりました」「自分の思うようにならないと感じました。普段リードで指示していたことがよく分かりました」「最初は色々と心配でしたが、最後の方は一緒に動けるようになり参加できてよかった」など、楽しかったというだけでなく、勉強になったとの感想も多く聞かれました。

わんちゃんの名前を呼んだら飼い主を見るといった日常のコミュニケーションや、「オスワリ」「マテ」などの家庭での基本的な日常のしつけができていると様々なことにチャレンジできます。敷居が高いと思われるかもしれませんが、わんちゃんと一緒にドッグスポーツで楽しい時間を過ごしてみませんか。

みなさまのご参加をお待ちしております。

楽しくしつけを学ぼう~ドッグスポーツにチャレンジ!