2023.03.31

令和4年度「来所相談」(3月)

当センターでは事前予約制で来所によるご相談をお受けしています。

実施実績:3月18日(土曜) 2件(都合により1件の相談内容について未掲載です)

相談犬種:ミックス(2才8ヶ月オス)

「普段は大人しいが、早朝と夜に家族に対して牙を向いて威嚇することがある。朝の散歩の時にクレートから出て来ず、出そうとすると唸る。身体を触られることを嫌がる」という内容の相談でした。 詳しくお聞きしたところ、生後1ヶ月過ぎの頃に民間の保護施設から譲り受け、引き取りの際に免疫がつくまで外に連れ出さないでと伝えられたため、半年ほど外のお散歩や他の犬や人との接触を避けてきたというご事情があるとのこと。8ヶ月ぐらいの頃に、フードを与える際にリードが絡まりそうになったので外そうとしたところ、突発的に本気で咬まれたことがあるとのご相談でした。

社会化期に人や犬との関係や色々なことを体験し、順応することを学ぶ十分な体験をすることができず社会体験が不足して、その結果警戒心が強くなってしまったと考えられます。まず犬が飼い主に慣れてもらうことと、犬を扱いやすくするために「オスワリ」「フセ」「マテ」などの基礎的なトレーニングをごほうびを使いながら行うことをアドバイスさせていただきました。さらに、ごほうびを与えながら犬の嫌がる所を避けて体に触れることを繰り返し、人の手が心地よいものであることを徐々に体験させることをお勧めしました。

また、外界の刺激を受けやすい玄関に近いところにクレートを置いているというお話があったため、できれば家の奥の落ち着ける場所にクレートを置くことを提案させていただきました。

その上で家の中でのトレーニングを繰り返し行ない、一通りできるようになったところで、少しずつ外での刺激に慣らしながらどんな場所でも家の中と同じように行動できるようにトレーニングをして、自信をつけさせることもお勧めしました。

また、こうべ動物共生センターの周りで、散歩の際のコントロールについて飼い主様にアドバイスを行いながら練習していただきました。

今回のご相談では、犬のことを考えるあまり犬が嫌がると思われることを避けていたため、必要な経験を積む機会を逃しておられましたが、トレーニングを積み様々な刺激に少しずつ慣れさせる方向へ変えていくことで、今まで不足していた経験を積む機会も増やし問題解決へと向かう素地が少しずつできると考えられます。

一度の来所相談で解決できない場合も、当センターでは飼い主様とご相談しながら新たな解決への糸口を見つけられるよう、繰り返しサポートさせていただきます。

来所相談は、訓練士や愛玩動物飼養管理士等の有資格者が皆さまのお困りごとに対して、一頭一頭に合わせたアドバイスをさせていただきます。

事前予約は下記リンクよりお申し込みください。

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