令和4年度「パピーのお困りごと相談会」(11月11日)

11月11日(金曜)、講師に適正飼養アドバイザーの村田香織先生をお迎えして、4ヶ月齢のパピー3頭の参加による「パピーのお困りごと相談会」を開催しました。

「パピーって何のこと?」と思う方もおられるかもしれません。パピーとは子犬のことです。

「子犬って何ヶ月まで?」と疑問に思う方もおられるかもしれませんが、明確な基準はないようです。動物病院やしつけ方教室のパピークラスなどは、おおむね4ヶ月齢くらいまでの子犬を対象としていることが多いようです。

この時期の子犬は頭がとても柔軟で、様々な刺激に慣れることで多くのことを学んでいきます。この時期のことは「社会化期」とも呼ばれていて、親犬や兄弟犬らとの関わりの中で犬同士のルールを学びます。人間と一緒に生活していく上でのルールは、家庭において家族との関わりの中で学び、信頼関係を築いていきます。また、この時期にいろいろな人と触れ合うことで、人に対しての社会性も身につけていきます。

子犬はたった一年間で、人間でいえば高校生くらいの年齢になってしまいます。

子犬の時期に様々な経験を積み重ね、しつけをしておくことは、人間と一緒に幸せに暮らしていく上でとても重要なことです。



相談会の中では、村田先生より子犬たちに3つのプレゼントがありました。




一つ目は遊び(引っ張りっこ)に使うロープ。

引っ張りっこをする中で遊びのルールも教えていきます。

ただ、ルールのないまま引っ張りっこをして遊ぶだけでなく、「合図に従ったら遊ぶ」「興奮してきたら止める」「興奮がおさまったら遊ぶ」を繰り返すことで、子犬のエネルギーの発散になり、飼い主の合図に従うことも覚えていきます。



二つ目はおやつを入れる小さいケース。 これは、お散歩に行ったときに、外で会う人からおやつをもらうためにおやつを入れておくケースです。見知った人だけでなく、出会ったことのない人にも「人に慣れる練習をしているので、おやつをあげてもらえますか」と飼い主がお願いをして子犬におやつを与えてもらうことで、「お散歩は楽しい」「人と会うのは楽しい」と感じることができるようになります。社会性を身に付ける「社会化」のトレーニングとして有効な方法のひとつです




三つ目は普段のご褒美を入れておくケースです。

握った手をコング(犬のおやつを入れて犬がかじって遊ぶ玩具)のようにし、おやつを握った手で犬の気を引きながら身体を触られることに慣れさせるトレーニングにもご褒美のおやつを使うことができます。

普段から身体を触られることに慣れていると、病気やケガなどの早期発見にもつながります。



先生からの3つのプレゼントは、「社会化」「ハンドリング」「甘噛みへの対応」に使用できるものとなっています。

子犬の時期に、良い行動をきちんと褒めて、それを強化していくことが成犬になってからの問題行動の予防につながるのです。

最後に、「トリックをやってみましょう」という先生からの言葉で、普段からしている「おすわり」や「お手」などの他に新たに「ふせ」にも挑戦してみました。トリックというのは、技・一芸のことです。


飼い主の足の間を通りぬけるときに伏せた状態になることで、「ふせ」を覚えます。

ちゃんと伏せることができるようになってからコマンド(合図、号令)を教えます。

トレーニングを繰り返し、様々なことができるようになる中で飼い主と犬との絆も深まります。そして、飼い主が犬をコントロールしやすくなるだけではなく、「コントラフリーローディング効果」といって、犬もただ何もせずご褒美をもらうだけではなく、行動の結果としてご褒美をもらう方が幸せを感じるという研究の結果が出ているそうです。

今回参加してくれた子犬たちも、これから人との生活が楽しく幸せなものになるよう、子犬時代に様々な経験を積み重ねてもらいたいと思います。


次回の「パピーのお困りごと相談会」の日程は未定ですが、決まり次第ウェブサイトにてご案内させていただきます。