令和4年度「介助犬と歩こう!」(11月21日)

11月21日(月曜)、認定特定非営利活動法人兵庫介助犬協会・理事長の北澤さんとPR犬のアリシアちゃんをお招きして、「介助犬と歩こう!」を開催し、9名の方が参加されました。


最初にパネルを使って身体障害者補助犬について説明していただきました。盲導犬、聴導犬、介助犬がそれぞれ社会でどのように活躍しているのか紹介していただきました。盲導犬は目の見えない方・見えにくい方が外出するとき等に障害物を避けたり段差を教えたりして安全に歩くためのお手伝いをします。聴導犬は耳が聞こえない方・聞こえにくい方に、生活に必要な音(電話、目覚まし時計、インターフォン等)の情報を知らせます。介助犬は、手や足の不自由な方の日常生活の中で様々な介助動作(落とした物を拾う、指示された物を持ってくる、履物を脱がせる等)を行います。


実際に、アリシアちゃんが「落とした物を拾う」「携帯電話を持ってくる」「冷蔵庫から飲物を持ってくる」「靴や靴下を脱がせる」等のデモンストレーション見せてくれました。






冷蔵庫から飲物を持ってくる場面では、冷蔵庫のドアに付いている紐を引っ張って開けます。中には紐のついたペットボトルが入っているので、その紐を咥えて出し、鼻で押して冷蔵庫を閉めてから、ユーザーさんのところまで運びます。



靴や靴下を脱ぐお手伝いもしてくれます。外出したくても、靴や靴下の着脱に時間が掛かったりすると外出そのものを諦める方が多いそうです。介助犬はユーザーさんのニーズに合わせて介助動作を行い、日常生活をサポートしてくれます。

今回は参加者の方々がたくさん質問をお寄せくださいました。

「介助犬として何年くらい活動するのですか?」という質問には「2歳、3歳~10歳くらいまでの約7年くらいが平均です」と教えていただきました。


「訓練は厳しいのではないですか?」という質問には、訓練の詳細についてお答えいただきました。厳しいことを無理やり教えるのではなく、ボール遊びやロープの引っ張りあいなどの遊びの延長が訓練となるのだそうです。投げてもらったボールを咥えて持って行くとまた投げてもらうという繰り返し行う遊びが楽しくなってきます。そうすると、ボール以外のものでも咥えて運ぶことができるようになります。引っ張り合いは、犬が強く引っ張ってある程度の力を加えたら離すと、引っ張ることが楽しくなり、何回も繰り返し引っ張って遊びます。これらが「ルールのある遊び」となり、咥えて持ってくる動作が「落ちたものを咥えて拾う」「携帯電話のストラップを咥えてユーザーさんに渡す」、引っ張る動作が「冷蔵庫等のドアを開ける」と言った介助動作につながっていくのだそうです。


「全国にはどれくらいの団体があるのですか?」という質問もありました。全国に介助犬の育成団体がありますが、認定介助犬を輩出できている団体は約10団体だそうです。また、現在日本で活躍している介助犬は53頭で、兵庫県では2頭いるのだそうです。盲導犬と比べると実働頭数が少ないこともあり、「認知度が低いので、もっとたくさんの方に知ってもらいたい」と締めくくられました。
厚生労働省のホームページでは、身体障害者補助犬の実働頭数が公開されています。

「身体障害者補助犬実働頭数」
(令和4年10月1日現在)

「介助犬と歩こう!