令和4年度「介助犬と歩こう!」(10月2日)
10月2日(日曜)、認定特定非営利活動法人兵庫介助犬協会・理事長の北澤さんとアリシアちゃんをお迎えし、「介助犬と歩こう!」を開催しました。今回の会場は、しあわせの村で行われた「こうべ健康・福祉フェア」の会場でもある温泉健康センター体育館です。
まず初めに、「身体障害者補助犬」と呼ばれる「盲導犬」「聴導犬」「介助犬」のそれぞれのお仕事の違いについて解説していただいた後、介助犬のことを詳しく説明していただきました。
介助犬の主なお仕事は、「落としたものを拾う」ということです。介助犬のお仕事は一日の生活の中で10回程度だそうですが、時として、全くない日もあるそうです。ですので、介助犬に求められる適性は、お仕事が上手にできるということよりも、「どこでもリラックスできて、どこでも寝ることができる」ということが大切で、そのような適性が「必要になるまでの間、ユーザーさんのそばでくつろいでいられることができ、介助動作が必要なときに集中をして行動ができる」ことにつながるのだそうです。アリシアちゃんにはこれまで何度も来てもらっていますが、今日もアリシアちゃんは北澤さんがお話されている間、横で気持ち良さそうに寝そべっていました。
デモンストレーションの中では、お金やカードを落とした際に、それをアリシアちゃんが拾ってくれるという介助動作を見せていただきました。お金を落とした音を聞いて「お金を落とした」と気が付いていても、アリシアちゃんは自分から拾いに行くのではなく、「テイク」という指示がなければ動きません。それは、落としたものがハサミやカッターナイフなど刃のついたものであったり、薬など誤飲につながるものであったりする場合があるので、拾わせると危険なものがあるという理由によるからだそうです。
このように、落としたものを介助犬が拾って届けてくれるということで、障害をお持ちの方は安心して外出できるようになります。例えば、誰かに助けてもらったときに「ありがとう」ではなく「すみません」と言ってしまうご経験は誰もがお持ちだと思いますが、「すみません」と言うことで周りに迷惑をかけてしまっているかもしれないと感じ、手伝ってもらいにくくなったり、外出しづらくなってしまいがちな方もおられるそうです。しかし、介助犬にサポートしてもらったときには、「ありがとう!」「Good!」と褒めることでポジティブに手伝ってもらうことができるのだそうです。
介助犬は「仕事をさせられていてかわいそう」と思われるかもしれませんが、ボール遊びでボールを持ってくるという動作が携帯電話を持ってくるという動作と同様であったり、紐の引っ張り合いの遊びが冷蔵庫のドアに取り付けられた紐を引っ張って冷蔵庫を開ける動作に代わるというように、遊びの延長が介助行為に繋がるように訓練しているとのことです。
今回は、お話の後に参加されていたお子さん2名が、実際にアリシアちゃんに指示を出して体験をしてみました。緊張しながらも、しっかりと指示を出して鍵と携帯電話を持って来てもらっていました。
現在、全国に介助犬は58頭いるそうですが、まだまだ認知度は低い状況だそうです。北澤さんは、「今日参加された皆さんからも周りの方にお話して広めてもらうことで、少しでも多くの方に介助犬を知ってもらえたら有難いです」と皆さんに仰っていました。
11月にも「介助犬と歩こう!」を開催いたします。多くの方のご参加をお待ちしております。参加希望の方は、下記のリンクよりお申し込みください。