令和4年度「いきものといっしょ」(6月11日)

6月11日(土曜)、「いきものといっしょ」の教室に、障がい者グループホームから利用者さんと付き添いの方の2名が参加されました。「いきものといっしょ」は、神戸市副読本「いきものといっしょ~みぢかなどうぶつに目をむけてみよう~」を使って、人と動物の関わりについて学ぶプログラムですが、小中学生だけでなく、実は大人の方も改めて身の回りの動物との関わりについて学んでいただける内容となっています。


最初に、身の周りにどんな動物がいるかを書き込んでいきます。住宅街に住んでいて、家族の一員として人が一生お世話をする「ペット」について考えるところでは、「犬は何年くらい生きますか?」「猫の寿命はどれくらいですか?」と質問がありました。
「犬は平均すると15年くらい生きます。獣医療の発展もありますし、ドッグフードも質の良いものが増えて家の中で大切に飼われるようになったため、昔に比べて長生きするようになっています」「猫の寿命も犬と同じくらいですが、家の中だけで飼われている子の方が外で事故に遭うこともないので、長生きすると言われています。20歳を超えている猫の話もよく耳にします」と、スタッフから説明しました。


一般社団法人ペットフード協会が行った「2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査」によると、犬全体の平均寿命は14.65歳、猫全体の平均寿命は15.66歳です。平均では14-5歳ですが、犬は大きさによって寿命に幅があり、超小型犬の寿命は長く、大型犬の場合は短くなる傾向があります。猫の場合は、家の外に出ない猫の平均寿命が16.22歳、家の外に出る猫の平均寿命は13.75歳となっています。


家庭に迎える時には、家族の一員としてずっと一緒に幸せに暮らすために、先ずは「最後まで責任を持って飼えるかどうか」と考えますが、予め犬や猫の寿命を知っておくことも大切ですね。


自然の中で生きていて、人間が世話をせず、自分の力で生きている「野生動物」について考えるところでは、「人間が世話をせずに、自分の力で生きている野良猫は野生動物ですか?」と、参加された方から質問が出ました。


「野良猫は、自分の力で生きているかもしれませんが、元々は人間に飼われていた猫たちです。捨てられたりして自分の力で生きていくしかない状況になってしまったんですね」
「外で生活している野良猫たちは交通事故に遭いやすかったり、猫同士のけんかでケガをしたり病気にかかったりして、飼い猫ほど長くは生きられないと言われています。地域でルールを決めてエサやりと不妊手術をして、不幸な猫が増えないような取り組みもあります」と説明し、ふれあい室に展示している「神戸市人と猫との共生推進条例」やその条例を基に設置された「神戸市人と猫との共生推進協議会」のパネルも紹介しました。




神戸に暮らす人と動物たちの関わりを探す場面は、どの年代の方も夢中になって探されます。外で車に轢かれそうになっている猫のイラストを見て、参加者の方が「外に出ないように飼い主がちゃんと見ておかないといけない」という意見を出されました。猫のいのちの安全を考えて家の中だけで飼うということも大切です。その為にドアの隙間などから外に逃げないようにしっかり安全管理をする必要があります。こうべ動物共生センターから猫を新しくご家庭に迎えていただく場合は、完全室内飼育が条件になっています。


プログラム後のアンケートでは、「保護された動物の話を聞いてみたい」「猫を捨てる人はダメだと思うし、センターに預けることが一番だと思います」と書いて下さいました。残念ながら、やむを得ない事情で飼えなくなった犬猫の引取りは神戸市が行っていますが、預かりは行っていません。「どうしても飼い続けられなくなったとき、まずは自分で新しい飼い主さんを探す努力が必要ですね。でも、そういう事態にならないように、数を増やさないための不妊手術をすることや、飼う前に“最後まで飼えるかどうか”をしっかり考えることが大切ですね」とお伝えしました。


「いきものといっしょ」は毎週土曜日(10:30~11:30)に実施しています。皆さまのご参加をお待ちしています。土曜日の午前中以外をご希望の場合は、一度ご相談ください。


いきものといっしょ