令和4年度「いきものといっしょ」(5月14日)

5月14日(土曜)、「いきものといっしょ」に中学生2名と、動物共生教育について学んでおられる大学生の方が参加してくださいました。


このプログラムでは、神戸市の副読本「いきものといっしょ~みぢかなどうぶつに目をむけてみよう~」を使って学びます。
私たちは、たくさんの動物と関わりながら生きています。自分の身の周りにどんな動物がいるかをイメージしながら、様々な人と動物との関わりについて考えます。


街に暮らしている動物のうち、家庭の中で共に生活をしている「ペット」は、私たち人間とどのように関わっているでしょうか?参加してくれた中学生のお子さんは、「ペットが死ぬまでお世話をする」と答えてくれました。


「学校などで飼育している動物」は、係や当番などみんなで大切に最後までお世話をします。飼育動物にエサを与えたり飼育場所の掃除をしたりするお世話を通して、その動物の生態について学んだり、「いのち」について学んだりします。


自然の中で生きている「野生動物」は、人間がお世話をするでしょうか?お子さんからは「人間は世話をしない」と答えが返ってきて、自分の力で食べ物を探して生きているということを確認し合いました。人間は野生動物が生活をする場所を尊重し、自然環境を守るという責任があることや、「人間がエサをあげると自分でエサを探せなくなる」という気づきもありました。


このように様々な動物が私たちの周りに生きていることに気づいた後は、イラストから神戸の街の中でいろいろな関わり方をしている場面を見つけていきます。


様々な関わり方を見つけながら、どんな関わり方なのかを書き込む姿も。


「猫が車の中に置かれたままになっている」と気づいてくれた場面では、「夏の暑い日に車の中に動物を置き去りにすると熱中症になってしまうので、放置したままでは危険ですね」とスタッフが伝えました。


「犬が吠えている」と気づいた場面では、「ワンワン」「ワンワン」と犬がよく吠えています。「何故こんなに吠えているのかな?」「さびしいのかな」「退屈なのかな」と理由を想像しました。


段ボールに入れられた猫たちが描かれている場面では「猫が捨てられている」と気づきました。「捨てないで飼い主の責任を果たすためにはどうしたらいいんだろう?」とスタッフが問いかけると、「最初から飼わない」という答えが返ってきました。そうですね、最初に「人間が最後までお世話をする」のがペットとの関わりであると学びましたので、最後までお世話ができないなら飼わないというのも選択肢のひとつです。また、飼えない「いのち」を増やさないこと=不妊手術についても、「子犬や子猫が生まれないようにする手術もあるんですよ」とスタッフが説明しました。


その他、イラストの中のには「犬と遊んであげている」「動物病院に連れて行っている」といった関わり方も描かれています。


見学に来られた大学生も、子どもたちの意見を聞きながら、自分の考えをまとめていました。こうした経験をとおして、将来、自分が何かを子どもたちに伝える立場になったときの学びの手法や、教育・啓発の大切さを実感してくれるのではないかと感じています。


最後に、動物たちと関わるときに、どんなことに注意すればいいのか、動物たちの気持ちを考えながら、自分たちにできることを書いていきました。


「動物病院で、注射が痛いと思っている」と書いてくれたお子さんもいましたが、自分の身に置き換えて、動物の気持ちを想像できているのだなと感じました。そして、痛いことではあっても、人間と同じように動物にも予防接種があり、健康維持のために必要であることも理解してくれたようです。


「野生動物には近づかず刺激を与えない」という意見を書いてくれたお子さんも。お互いが安心でき安全な距離を保つことが大切ですね。


アンケートでは、「いのちの大切さを知れてよかった」「野生動物と人間の関わり方をもっと詳しく知りたい」という感想を書いてくれました。限られた時間の中ではありますが、こうべ動物共生センターではこうした学びのきっかけを提供しています。「もっと知りたい」と思われたときには、また、いつでも共生センターに来てスタッフに質問いただいたり、別の教室やプログラムに参加していただくこともできます。お子さんたちの「知りたい」「学びたい」という意欲に、私たちスタッフも日々励まされています。


「いきものといっしょ」は、毎週土曜日の午前中(10:30~11:30)に開催し、事前予約制となっておりますが、開催時間にタイミングが合わない場合はご相談ください。皆さまのご参加をお待ちしております。

いきものといっしょ