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令和4年度 「第2回介助犬と歩こう!」

令和4年5月30日(月曜)、「介助犬と歩こう!」を開催しました。この日は小学校の代休とのことで、親子で2組2名のご参加と、チェコからの留学生さんが1名参加してくれました。チェコからの留学生さんは、自国で動物保護施のお手伝いをされているとのことで、日本の保護施設のことや、人と動物との関わりについて学ぶプログラムを受講したいと話してくださいました。今回は介助犬のPR犬・アリシアちゃん(4歳)が来てくれました。

今回は、参加されたご家族の中にわんちゃん同伴の方も居られましたが、アリシアちゃんは動じることなく日頃の訓練の成果を披露して、介助犬のお仕事を紹介してくれました。

認定特定非営利活動法人兵庫介助犬協会理事長の北澤さんから、「お子さんもいらっしゃるので…」とデモンストレーションの前に、改めて身体障害者補助犬についてお話をしてくださいました。





わかりやすい教材を用意していただき、まずは盲導犬について聞かせていただきました。 「一般的に知られているのは盲導犬だと思います。盲導犬は目が見えない人、見えにくい人が安全に歩けるようにお手伝いします。ユーザーさんが外へ行くときには犬にハーネス(胴輪)を着け、そのハーネスを持って歩かれます」「盲導犬には3つの仕事があります。1つ目は段差を知らせること。2つ目は曲がり角を知らせること。3つ目は障害物を避けることです。このように、盲導犬は、ユーザーさんが危険な目に逢わないように歩行をサポートしてくれます」




次に、聴導犬について説明していただきました。「耳が聞こえない人、聞こえにくい人に必要な生活音を知らせてくれます。私たち人間は、日常生活でたくさんの音を頼りにしています。時計のアラーム音、洗濯機の終了音、電子レンジなどの音です。音が鳴ったら「鳴ってるよ!」と教えてくれるのが聴導犬です」





そして、身体障害者補助犬の中でも、あまり知られていないのが介助犬です。「介助犬は手や足に障害のある人の日常の生活のお手伝いをします。物を持ってきてくれたり、落としたものを拾って渡してくれたり、靴や靴下など履いたり脱いだりするお手伝いをしてくれます」と教えていただきました。介助犬は、みんな同じ訓練を行うわけではなく、希望された方によって必要な介助が違うので、介助の必要な方お一人おひとりのニーズに合った訓練をしていくそうです。

また、「日本では身体障害者補助犬法という法律があり、お店に一緒に入ったり、交通機関、公共施設なども利用できるようになっています」ということも教えてくださいました。しかし、なかなかそういったことが社会の中に浸透していないのが現状ですので、補助犬の存在を知っていただくための取り組みが大切なのです。

身体障害者補助犬について教えていただいた後は、いよいよデモンストレーションです。車椅子の方が椅子やベッドなどへの移乗の際に誤って床に転んでしまったりすることがあります。そのような場合、お家の人に連絡したいけれど、すぐそばに携帯電話がない状況が予測されます。そんなときに、介助犬が携帯電話を持ってきてくれると、家族に助けを求めることができます。北澤さんの指示でアリシアちゃんが携帯電話を持ってきてくれる様子を見せていただきました。携帯電話の画面を犬の歯で傷つけたりしないように、紐などをつけておいて、そこをくわえて持ってきてくれるように訓練しているのだそうです。





自動販売機を利用するときに小銭が落ちることもあります。お金だけでなくカードのような薄いものまで上手に拾えるように訓練されています。こういった薄く、小さいものは前歯でそっと噛んで渡してくれます。

また、目の前に落ちたものであっても、指示がなければ勝手に拾いません。何故なら、お薬などのように誤って食べてしまってはいけないようなものもあるからとのことです。

次に靴と靴下を脱がせるデモンストレーションも見せてもらいました。前から脱がそうとすると車椅子から落ちたりする可能性があるため、かかとから引っ張ります。介助犬がこのように介助してくれることで、靴や靴下の着脱に費やす時間が短縮され、車椅子の必要な方でも安心して外出できるようになる、ということでした。





今度は冷蔵庫の中から飲み物を持ってきてくれます。まずは紐が付いた冷蔵庫のドアを引っ張って開け、ペットボトルに結び付けられた紐を咥えて飲み物を取り出した後は、しっかりと冷蔵庫のドアも閉めます。

「「訓練は厳しいのですか?」とよく聞かれますが、そんなことはありません」と説明をしていただきました。訓練のひとつに、ロープ状になった紐をお互いに引っ張り合うという遊びがあります。このときに「プル」と声を掛けられますが、「プル」は引っ張れという指示です。そして、犬が強く引っ張ったときに離します。この、引っ張り合って離す、を繰り返す遊びが犬にはとても楽しく感じられ、介助する動きへとつながっていきます。この「ルールのある遊び」が訓練です、と教えてくださいました。



冷蔵庫を開けるときは紐をくわえて引っ張ります



ペットボトルを取り出したらキチンと冷蔵庫のドアを閉めます



デモンストレーションを披露してもらった後は、外を一緒に歩きました。

介助犬がお散歩に行くときには、排泄用シートも持って行くそうです。

「介助犬は前もって外に出る前に排泄を済ませてから出ます。もしも外で排泄したくなったときでも、シートの上で排泄をするように訓練しています」と教えてくださいました。





現在、57頭の介助犬が日本で活躍しているということです。

介助犬に求められる適性で重視されるのは、リラックスできることだそうです。介助犬が介助動作のお仕事をするのは、一日に10回程、多くても20回くらいということなので、仕事以外の時間はリラックスできることが重要なのだそうです。外で食事をしていても、人が多い場所でも、電車の中ででもリラックスして落ち着いていられることが大切で、リラックスするということだけは天性のものが左右するので、訓練ではできないと教えていただきました。

周囲が補助犬の役割について知ることが、補助犬のお仕事の大きなサポートになります。


次回は6月27日(月曜)です。是非、皆様のご参加をお待ちしております。

介助犬と歩こう!