令和4年度 獣医師体験プログラム「いちばん身近な存在「ペット」の健康と幸せを守るには」(10月15日)

10月15日(土曜)、「小学校低学年対象」「小学校高学年~中学生対象」の2回に分けて、獣医師体験プログラム「いちばん身近な存在「ペット」の健康と幸せを守るには」を開催しました。大阪公立大学小動物臨床医学教室の酒居幸生先生を講師にお迎えし、「いちばん身近な存在ペットの健康と幸せを守るには」と題してお話をしていただきました。

最初に先生の自己紹介の中で、獣医師免許を写真で見せていただきました。獣医師の免許を持っていたら、牛や馬、犬や猫、ウサギやハムスターなどどんな動物でも診察することができるようになります。また、先生がお勤めの病院の様子もスライドを見せていただきました。大学附属の病院には診察室が9室あり、獣医師の先生と動物看護師さんがペアになって診療にあたります。病状によっては、レントゲン検査、超音波検査やCT検査なども行うそうです。




診察の流れについても説明してくださいました。

動物の診察も人間の場合とほとんど同じで、まず飼い主さんから詳しい症状等を聞いたあと、動物を触診し必要であれば検査をし、診断が出たら病気やケガの治療を行います。



ただ、動物の場合は人間と違い、自分で体の不調や痛いところを伝えることができません。

それだけでなく、動物の習性として、「痛い」「苦しい」というような自分が弱っている様子を人間である飼い主に見せない場合もあります。

日頃から、飼っている動物が「元気か」「食欲はあるか」「水は適量飲んでいるか」「しょっちゅう吐いていないか」「下痢や便秘をしていないか」など、気をつけて様子を観察し、「いつもと違うことに気がつくということがとても大切です。普段と違うと思ったら病院へつれて行って下さい」と教えていただきました。



次に、実際に子どもたちも白衣を着て模擬診察をしてみました。

白衣を着て、聴診器を持つと、みんな小さな獣医さんのようです。

先生から心音の聞き方を教えて頂いた後は、実際に聴診器を使って自分の心音を聞いてみたり、犬と猫のぬいぐるみを使って採血の仕方を教わりました。心音を聞く際には、拡張心音計(心臓の音を拡大してスピーカーから聞くことができる機械)を使用して、自分の心音だけでなく、みんなの心音を聞き、音の大小や速さ、リズムの違いにも気づきました。




「自分たちでもやってみましょう」と声を掛けてもらうと、低学年の子どもたちは、興味津々で一斉にぬいぐるみの周りに集まりました。高学年になると少し恥じらいがあるようで、最初は少し遠慮気味に集まってきましたが、実際にぬいぐるみに触れてみるとしっかりと先生の説明を聞きながら取り組んでいました。

このぬいぐるみは、骨格に曲がる水道管を使用して教材用に作られたものなので、しっぽを上げたり下げたり、前かがみになったり、ある程度ポーズを変化させることができますし、抱っこをしたときにずっしりとした重さと手応えがあります。また、表面の起毛素材の布を引っ張ることもできますので、注射を打つ場所などの説明にも役に立ちます。




将来、獣医師になりたいという希望の子どもさんも多く、みんなとても熱心に先生に質問しながら、ぬいぐるみを使って採血や、心音を聞く練習をしていました。





終了後のアンケートにも、「診察のながれを知ることができてよかった」「獣医さんの仕事の体験がよかった」などの感想が寄せられました。

こうべ動物共生センターの獣医師体験プログラムは、幅広い獣医師の世界を体験し、学びを深めることにより、人と動物の共生が私たちの生活に深く関わるものであることへの気づきを促し、人と動物との共生の在り方について理解を深めます。11月以降も「大動物(馬)」「大動物(牛)」「産業動物」をテーマに開催いたしますので、皆様のご参加をお待ちしております。


獣医師体験プログラム